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ため息430:再起動して頭を冷やす

パソコンがフリーズした(動かなくなった)とき、電源ボタンを長押しして、強制的にシャットダウンをし、数秒後に再起動をさせると、ほとんどの場合、パソコンは何もなかったかのように再び使用可能になります。再起動させることで、フリーズの原因となるトラブルが解消するわけではないようです。したがって、再起動させる頻度が高くなってくると、ある日、突然、壊れるという驚きを体験させられます。経験上、フリーズが連続して発生しない限り、当座は心配ご無用です。

「似たようなケースその1」
広告デザイン制作現場。デザイン案を上司に見せると、ときどき「ちょっと違う」という理由でやり直しになります。「ちょっと違う」ということをデザイナーに伝え、手直しをしてもらって、再度その上司にもっていくと、OKとなります。

何回目かの「ちょっと違う」という手直し作業のとき、デザイナーが実際にどんな作業をしているのかのぞいてみました。意外だったのは、ほとんど手直しをしていないことでした。30分ほどデザイナーのデスクに置き、その後、「ご指示どおり、ちょっと直してきました」といって、元のままのデザイン案を見せるとOKになります。何のことはありません、パソコンの再起動のようなものです。トラブルの原因を根本的に解消してはいないのですが、再起動することによって、目の前の問題がクリアになります。

「似たようなケースその2」
これはちょっと違うかもしれませんが。カーステレオは、カセットテープを手作業で入れ替えるのが当たり前であった頃のことです。長時間のドライブでは、往復1時間程度の音楽カセットテープを何回も入れ替えます。後部座席にカセットテープの入ったケースを置き、後ろにいる子供が前の運転席にカセットテープを手渡しします。聞き終わったテープを取り出し、後ろを振り返らずに、次のテープを手渡しでもらいます。手渡しが何回も続くと、子供は、時々交換したふりをして同じテープを差し出します。1時間前に流れた曲と同じ曲が流れますが、交換を指示したドライバーは長時間の運転のためか、同じテープであることに気がつきません。テープを入れ替えた事実に満足しています。

「扇風機」
パソコンは、重いソフトをいくつか同時に動かすとXP以前のOSでは、使用中のソフトを終了させてもフリーズし、再起動しないと次のソフトを動かすメモリーが開放されませんでした。この場合、再起動することに意味がありました。人の場合は、「こだわり」とか「思い入れ」など、特定のことが原因となって、包容力や応用力が乏しくなって、問題解決能力が著しく低下します。

刑事ドラマでは、捜査員は現場に何回も足を運んで事件の解決の糸口を発見するお約束のシーンがあります。カセットテープが同じでも、聞いている本人の状況は変化します。道路状況、疲労、精神状態などによって、同じ音源でも前回と違う音が聞こえてきます。この場合は、カセットテープを入れ替えるという物理的な動作に意味があるようです。あの時、6歳の息子がしたことは効果があったと、今頃になって感心しています。

パソコンは本体に熱をもってくると誤作動しやすくなります。扇風機の風を当てると良く冷えます。これは安定稼動に効果があります。頭を冷やす、冷静になるというのは、熱をもって誤作動し始めている脳の機能を、文字通り冷やすことによって、回復させる効果がありそうです。頭寒足熱です。

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平史理 taira fumitoshi
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