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金言498:暗黒時代

昔、ヨーロッパの有名企業のスイス人トップが、事業不振の責任をとって辞めると宣言しました。それも期首の取締役会で、退任時期は期末と発表しました。
その後、12月の期末まで1年近く、ボスは本当に辞めるのか、実際は辞めないのではないかなどといろいろなうわさに従業員が翻弄されました。辞めるまでの1年は、この会社の暗黒時代の最後の1年となりました。振り返れば暗黒時代最後の1年ですが、渦中にあった人たちにとっては、終わりの始まりとなっていました。

辞任するといったボスは、まず自らの求職活動を公然と行い、同時に社内の抵抗勢力を全員追放しました。そして造反する幹部社員を一掃した年度末に、予定どおり退任しました。
ボス(腹黒)が仲間(バカ)を利用して抵抗勢力(ワル)を社外に追放したわけです。ワルを一掃して腹黒が退任しましたので、この会社はクリーンになりました。
そして、株主は外部から経営陣を送り込み、IPOも成功し、会社は再生しました。
もちろん、公開企業として社史には暗黒時代の詳細は、株主が不安にならないよう書き換えてあります。

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平史理 taira fumitoshi
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