金言272:早く歩きすぎる

1)ASICS(健全な精神、健全な身体)
紀元2世紀の初め、ローマの風刺作家ユベナリスが、「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかし、と祈るべきだ」との名句を残しました。原典では「精神」は「Mens」で表現されていますが、「躍動する精神」という、より動的な意味をもつ「Anima」に置きかえ、“Anima Sana in Corpore Sano”とし、この言葉の頭文字をとって当社の社名としました。
(スポーツ用品メーカーの「アシックス」社の理念)

「健全な肉体に健全な魂が宿る」は誤用が定着したものという説があります。ローマの風刺作家ユベナリスの詩の中身はあまり欲張らずにほどほどにと言う意味合いで、筋肉ばかり鍛えて心が腐敗していた当時の風潮を皮肉っているというものです。
日の丸を背負ってがんばるわけでもなく、筋肉痛や体調を崩すような負荷をかけずに、ほどほどに楽しんでいる「多摩湖自転車歩行者道路をポタリングしているライダー」とか「近所の公園ウォーカー」には、ユベリナスの皮肉は無縁のことですが。

2)老トレッカーのアドバイス
ビフォアコロナ時代に高尾山の6号路の沢を登っているとき、ベテラントレッカーに声をかけられました。「ゆっくり歩きなさい。せっかくこのようなすばらしい自然の中にいるのに、なぜ早く歩くのだろう。今の人の考えはわからない。自分は50年以上、このペースを変えていない。ゆっくりと自然を楽しみなさい。」
この人は、完璧な装備で、ゆったりと高尾山の登りの負荷を楽しまれていました。

早朝の公園の遊歩道で、年配者にいつも追い越されている身としましては、すばらしい解を教えられホッとしました。早く歩くのは、良くないです。「継続は力なり」「スローライフ」「有酸素運動」「老化防止」「健全な精神は健全な身体に」などいろいろなキーワードが、お年寄りのアドバイスのおかげで自然につながりました。

人生、まだ残りがあります。自分で選んで手にした環境なら、急がずゆったりと、楽しみたいものです。

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