金言937:諦めた時が負けだとかいっていると逃げ遅れます
「泥船は優秀な奴から逃げ出す」といわれています。
かつて泥船と評価した勤務先がありました。
先輩から聞いたのは、他に行くあてのないつぶしのきかない奴が最後まで残るとのことでした。会社の先行きに不透明感が増してくると、近未来の夢が消えたと感じて優秀な人材が流出を始めます。すると、「磨けば玉になる」潜在的な人材も芽を摘まれます。そうして悪貨が良貨を駆逐するたとえどおりに、稼がない、利益に貢献しない、転職先が見つからない従業員の在庫が積み上がります。潰しの効く勤め人は、そういう気配をいち早く感じ、真っ先に逃げ出します。
脱出するのに1年、そのあと泥船が沈むまでには15年かかりました。早すぎたかもしれません。沈む直前には役員になっていた同期が数人、居残組はほとんどが幹部社員になっていました。そして沈むときは経営責任を問われ、おそらく退職金は減額されたことでしょう。それならこのままでは沈むと予感してから10年とか12年待って退船すればよかったのですが、有価証券取引と同じで、利益確定売りのタイミングはだいたい逃します。売ればさらに値上がりし、売らずに持っているとどんどん下がります。個人投資家の負けパターンです。
泥船から逃げ出すなら、早目に避難したほうが後悔する回数が減ります。泥船が、沈まない船に変態することはレアケースです。自分だけは大丈夫と勘違いして、諦めた時が負けだとかいって斜に構えていると逃げ遅れ、幸いにも生き残れば晩年には何度も後悔することになります。
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