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金言1056:ライターといえば

昨今、ライターというと、WEBライターとかICカードリーダライタとかになりますが、パブリックスペースでの喫煙がご法度になる前、喫煙者が多数派であった頃の話です。当時の若者は喫煙・飲酒によって大人の仲間いりをしたことを目に見える形で表現していました。

ドラマではいまだに主人公が喫煙するシーンがよくでてきます。
たまに、100円ライターではなく、ライターの蓋を開けた時にキーンといい音がする小道具を使う監督がいます。
受動喫煙とかいう言葉が存在していなかった頃、フランス料理レストランのウェイターは、常連客からもらったチップで買った、月給の半分ぐらいする高価なデュポンのライターを愛用していました。彼らはお客さまのタバコに火をつけるために、このライターを使います。そのとき、高額ライターからバブリーな効果音が聞こえてきます。この音を出せるのは、高額なチップを稼ぐウェイターの証でした。クリームコートのウェイターは数年待てば黒服に昇格するので、まずはチップを貯めてデュポンを買うのが職場のお約束でした。

金メッキか金張りか忘れましたが、とにかく高価なライターでした。100円ライターが主流になって以来、高価なデュポンのライターの蓋を開いた時のキーンとかチーンとかいうバブリーな音を聞くことはなくなりました。テレビドラマで久しぶりに聞きました。日本経済が右肩上がりに上昇していた頃の懐かしい音です。

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平史理 taira fumitoshi
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