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金言693:団塊の世代の夢の跡

米国で本来住宅購入が無理な低所得者層にローンを組ませた住宅バブルが崩壊し、その結果全世界が大不況に陥ったことがありました。
日本では、30年も前に経験済みのバブル崩壊です。当初は、マンションが買った値段より高く転売できる市場がありました。柳の下にどじょうが2~3匹はいました。そして4匹目を買った後にバブルがはじけたような感じです。
そういうバブルの大波を受けずに、また大震災に遭遇して二重ローンに苦しむこともなく、さらにはリストラに遭い収入が支出を上回るような環境にも変わることなく、幸運にも30有余年のローン完済をなしとげた団塊の世代がたくさんいることでしょう。
ところが、ローン完済して子供たちに継承する思惑は危うくなってきました。
例外なく少子高齢化と核家族化が進み、子供たちはそれぞれ独立し、都心への通勤に時間がかかる郊外の老朽化した戸建て住宅を相続することを嫌い、加えて法定相続人の数が極端に少なくなり、買い手不在の物件として放棄される空き家がたくさん出始めているそうです。すでにスキーリゾートマンションで経験済みです。
また団塊の世代の本人たちも交通便利な都心に居所を移すとか、介護施設を利用とかいうことになると、あと10年もたつと郊外のマイホームは空き家が増え、限界集落もどきになるかもしれません。
郊外の空き家が目立つ何とかベッドタウンは、団塊の世代の夢の跡でもあります。

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平史理 taira fumitoshi
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