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金言1123:一番の効能

ヒトは一番が好きだと思う効能を脳科学者が教えてくれます。
例えば、富士山は日本一高い山であることをほとんどの日本人は知っています。でもその次に高い山というとほとんどの日本人は知りません。琵琶湖は日本一大きな湖ですが、2番はどこかと聞かれると答えられる人は少ないはずです。みなさん一番は大好きですが、二番には関心がありません。ですからどの業界でも切磋琢磨して日本一世界一を目指します。相乗効果もあります、日本一の何かを持つと、持ち主には肯定的錯覚というのが脳に作用して他の持ち物も良いモノになっていきます。同時に日本一だから他の物もきっと良いモノに違いないと世間は思います。相乗効果です。例えば長野で一番うまい蕎麦を提供する店が関連する品を出せば、一番うまい蕎麦と同じぐらい期待されてよく売れる可能性が高くなります。

東日本大震災の少し前に二番の政党が一番になった時、常に一番を目指してきたはずの閣僚が「二番じゃだめですか」と一番を目指すコストを仕分けして削減しようと公言しました。この一言が命取りになりました。いまでは、一番は自民党、では二番はという話題になると何党かなと首をひねる有権者が過半数を占めているに違いありません。

ただし、一番を目指さない本人が二番で良いじゃないというのは説得力があります。なんでも一番を真似すれば、R&Dのコストは不要でトレンドに乗って一番に似たモノをつくります。低コストで売れ筋もどきのモノをユーザに提供できます。もちろん売上利益も一番にはなれません。一番にこだわれないユーザにとっては廉価に一番もどきのモノを楽しめます。

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