ため息340:攘夷のDNA
わずかな資産の一部をドルに替え、リスクヘッジをすることを目的として外資系の銀行に初めて口座を開設したことがあります。
窓口での対応は、500円硬貨でおつりがもらえる丼屋と少し高めな和食レストランの違いといったような感じでした。無駄を排した効率的なサービスと低価格で繁盛している店に行くことが多くなっていたので、ヴァンドーム広場の高級ブティックの店で売り子と椅子に腰掛けて面談しながら買い物をするような雰囲気はこの10年以上ご無沙汰していました。
口座開設目的を問われました。ただ預金するという日本人は、邦銀の無料口座がお奨めですよというような雰囲気でした。資産運用に対する明確な意識を持って口座を開設することが求められました。こういう場面になると、マネーゲームの外国人商人にはかないませんが、異国に負けてなるものかという攘夷のDNAが覚醒します。
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