金言283:ランナーズハイ

長距離を走っていると、突然おなかが痛くなったりしますが、これを我慢できると、ふっと痛みが消えて走り続けることができます。体力のある頃は、そういう場合が多かったのですが、年をとって運動量が減ってくると、痛みが消えるまで走り続けることができなくなって、苦しみの後にやってくる快感にめったにお目にかかることができなくなってしまいます。このような次第に高揚してくる気持ちの良い精神状態を、ランナーズハイといいます。

神戸のスポーツシューズメーカーが社名で使用しているように、健全な肉体は心の健康におおきくかかわります。積極的に体を動かすことは、心身ともに健康状態を維持するうえで良い効果をもたらすようです。体力のある人は、精神的にも、打たれ強いはずです。メンタルタフネスは、精神力や気力の勝負ですが、このエネルギー源のひとつは肉体的な強さであります。苦戦をしているときに、劣勢を跳ね返す力は気力とか根性であり、戦いの後にやってくる精神的な高揚感は、物理的な体力の無い人には味わうことのできない「いい気持ち」の状態です。体力の無い人はビールなどで疑似体験をされているかもしれませんが。

考えてもすぐに解決できない問題、独りでは解決できないトラブル、気がかりなこと、悩みはいろいろあります。そのことばかり考えていればやがて解決するというわけでは決してないのに、ネガティブな思いにとらわれて、気持ちを切り替えることができないことがよくあります。病は気からということで、精神的に病んでくると、体が不調になり、また病気になると心も病んできます。そういう困った状態に陥りそうになったときは、体を動かすことがおすすめです。

例えば、ポタリング。
自転車での散歩です。最初は今現実に抱えている困ったことや雑念がいろいろ頭に浮かんできます。過去のくやしい思い出がフラッシュバックしてきます。それが、ペダルをこぎ続け、風を感じてくると、やがて、うそのような開放感がやってきます。気持ちが楽になり、いい気持ちになり、頭に浮かんでは消える、ぼうふらの浮き沈みのような迷いやとらわれから一時自由になることができるのです。精神的な疲労回復には、肉体的な疲労をかぶせることをおすすめします。

1970年代、国際反戦デーの新宿から、深夜、追手の重装備の機動隊員を振り切り、三鷹まで走って帰ってきたテニス部の先輩は、その後実業でも体力勝負の生き残り競争をして逃げ切ったのではないかと思います。

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