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金言524:能力がないからできないのではありません
人間の能力は、その場の状況に応じてめまぐるしく変わるようです。先の対米戦争で兵士として経験された某歴史学者の先生は、戦争という状況を個人の資質が暴かれる場ととらえています。
「非常時のリーダーシップ」
戦時において、属する部隊が壊滅状態になったとき、リーダーシップを発揮したのは、平常時の将校ではなく下士官でした。その後、連合軍の捕虜となったとき、収容所内での待遇改善交渉や食料調達で活躍したのは、また別の下士官でした。白兵戦の修羅場で活躍したヒーローは、収容所生活では活躍の場がなかったそうです。
「適正を知ること」
人は、自分が適した状況においてのみ能力を発揮するようです。肝心なのは、能力の欠陥を克服することではなく、自分の適性を知るということです。
革命成就のあと政権に参加せず、一介の闘士として人生を締めくくった南米の革命家は、政治的な適正がないことを知っていたのでしょう。「能力がないからできない」のではなく、「適正がないからやらない」ということです。
「私企業での解」
座学ではなく実業の世界では、課題を期待された内容で消化し成果物を上長にとって目に見える形で提出しないと、能力不足で適正がないと評価されます。能力と適正は同じフィールドにあり、能力が発揮できる適正な業務にアサインされるかどうかは、日頃の勤務態度や経営幹部にまで届く社内外の風評です。それを嫌うなら、ベンチャー企業を創業するというのが、私なりの「解」です。
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