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金言675:先祖伝来の家宝はありません

我が家には先祖伝来の家宝はございません。
祖父から伝わったものはありません。理由は、大正の関東大震災と昭和の米軍による空爆で2回家が焼かれたからです。有価証券、貴金属など換金可能な財産は焼失したそうです。金は溶けても残るので焼け跡を探したそうですが、見つからなかったと祖母から何回も聞かされて育ちました。祖父が猟で使ったウィンチェスターの猟銃がしばらくありましたが、父が警察に届けて処分しました。
父はバブル後に資産をかなり失ったようですが、それでもいくらか遺しました。お宝といえば、当時の大蔵省から永年勤続でもらった金杯と銀杯です。金杯は弟に渡しました。銀より金のほうが長く父の形見として大事にしてくれるだろうと思ったからです。
父が遺した資金は、平成の時代にITバブルやリーマンや東電原発メルトダウンなどの1000年に一度の未曾有の事象のおかげでほとんど消えました。おまけに、断捨離ブームにのって、自分なりのコレクションへのこだわりを断ち、換金不能な記念品類も捨てたので、思い出の品もほとんどありません。
ただし、墓終いは考えていません、これだけは次世代へ継承するつもりです。どうやら、我が家では、鑑定してもらうほどのお宝とのご縁はないような気がします。どうせ最後に川を渡るときは何も持っていけないだからとあきらめています。

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