金言266:世のため人のため

若い頃から、所属した団体の行動目標や指針とする標語(校訓、社是など)で、共通していた言葉が「奉仕」でした。「人となれ、奉仕せよ」(Be a man and serve the world)というのが中学・高校の校訓でした。いろいろな組織や団体に属しましたが、いつも「奉仕と感謝」がキーワードでした。人生の節目で、この言葉に触れてまいりましたが、特別サプライズもありませんでしたので、共通することについて気になりませんでした。ITバブルの頃、ベンチャーの起業に関して聞いた講演で「世のため、人のため」が成功のキーワードだと強調した講師がいました。その人のことはすぐ忘れましたが、この言葉は記憶に残りました。

取引先の与信調査という名目で、信用調査会社の部長と名乗る人と面談したことがあります。この人が、経営者として大事な心得を聞いてきたので、「世のため、人のため」と答えました。20分ほど話しているうちにこの人は、「詐欺」行為をしていると感じました。それを察知した相手は、急に話を切り上げ、捨て台詞として、「心得」の正解を教えてやると乱暴にいいました。「納期厳守、品質重視」であるとのことでした。精神論では、金は動かないといいました。

しかしながら、もし自分が投資をする立場であれば、投資先の社長に会って話しを聞き、「この人になら万一だまされても後悔しない」ということを、自分の感覚で確認します。納期や品質の根底にある「心意気」に金をつかいたいと思います。他人に委託するのですから、リスクは他人ではなく自分が負います。餅は餅屋にといって、自分より儲け上手な人に軍資金を渡して、儲けようとするようなものですから、投資金額に見合う程度に相手を信用しなければなりません。そうでなければ、一天地六の丁半博打になってしまいます。儲けるとは、信じる者と書きます、だから信じる者は救われます。

勝敗は別にして(勝ったときは祝杯をあげ、負けたときは次に期待して)感謝することが、いいと思います。そして、キーワードは世のため人のためです。

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