
【第二回】九戸村のトマト農家「松澤農園」さんの取り組み事例

九戸村で大規模にトマト栽培を手掛ける松澤農園さん
大きなビニールハウスが19棟並ぶ35Rの敷地で、大ぶりなトマトをたくさん栽培されている松澤農園さん。
トマト栽培における基本的なことから、近年の温暖化現象などの気候変動に対する対策、フィリップモリスジャパンとの取り組み事例についてお聞きしました。
トマトは青い状態で採る
摘み取ったトマトがスーパーなどの売り場に並ぶまで、だいたい4~5日かかることから、真っ赤な状態で採ってしまうと熟れすぎて売り物にならなくなってしまう。
そのため、「少し色づいてきたかな」という青い状態で採って、選果し、箱詰めしてその日のうちに市場に出す…ということをやられているそう。
摘み取り作業は全て手作業で行うほかなく、慣れが必要な作業だそうです。

採用品種は硬めの果肉が特徴でサラダなどにも使いやすい「りんか」
松澤農園さんでは、ゼリー状部分が少なく果肉部分がしっかりとしている「りんか」で全数栽培を行っています。
「れいか」は虫害が多く、管理の難しさが課題となっていたところに「りんか」という品種に出会い、全数移行をしたのだとか。病気に強いのも特徴で、近所のトマト農家さんも「りんか」に移行する方が多いそうです。
しかし「れいか」は気温が下がってきた頃の割れ被害に対して耐性があるため、虫被害対策がまた機会があればやってみたいのも本音だそうです。
品種によって良い所と難しいところのバランスがそれぞれ違うようで、農家さん毎に工夫されているんですね。
施肥作業を劇的に効率化した「ブレンドソーワ」
いわて農業未来プロジェクトでの新たな取り組みとして、フィリップモリスジャパンから貸与された「ブレンドソーワ」という機械の導入により、定植前の土に肥料を混ぜ込む作業を大幅に効率化された松澤農園さん。
これまで8種類の肥料を手作業で混ぜて撒く…という作業が一棟あたり1時間かかっていたところ、15分程度に短縮。ビニールハウスの棟数も多いため、効率化の影響がとても大きく喜びが伝わってきました。
(1棟あたり45分の短縮×19棟=14時間弱の短縮+労力の低減)

水やり頻度や段数管理などの「トマト栽培の基本」についてもレクチャー
これから就農を考えている農家見習いの桂さんから、トマト栽培の基本となる水やりの時間&頻度や、追肥の方法、定植の時期や温度管理などについても隠すことなく教えていただきました。
ビニールハウスの開け閉めでの温度管理なども棟数が多いと大変な作業で、時間を見つけてはご自分で巻き上げ式の開閉機構を取り付けてらっしゃるようです。

松澤農園さんの「今後の展望」
今後の展望とすればどんなことを…とお聞きしたところ、「できればもう少し規模を大きくしていきたい!」と意気込みをお伝えいただきました。
ご両親が別の場所で20棟ほどのハウスを管理されているそうで、将来的にはそちらの設備も引き継いでもっと大規模なトマト栽培を行うことになるため、今の時点からどうしても不足しがちな人手の確保だったり、より効率的な栽培方法を模索して、一反部あたりの収量(=反収とも)を上げられるように工夫していきたい…と、向上心溢れる松澤農園さん。

カシオペア農業チャレンジ
「カシオペア農業チャレンジ」は二戸地域のコミュティFM「カシオペアFM」で放送されている番組で、二戸地域の農業の現場で行われている実験的な取り組みや、実際に新規就農を目指す方の密着取材の様子などをご紹介しています。
「いわて農業未来プロジェクト」の提供でお送りしているこの番組は、主に岩手県北部の二戸市、軽米町、九戸村、一戸町、岩手町において、農業や地域についての情報を発信することで、農業への関心を高めたり、農業の担い手不足を解消したりといったことを目的としています。
二戸地域の農業の現場で行われている実験的な取り組みや、実際の農業の最前線で行われている工夫などについてお話を聞いたり、時には体験をしたりして、ラジオをお聞きのみなさまにご紹介をして参ります。
※この番組はフィリップ・モリス ジャパン合同会社が支援するいわて農業未来プロジェクトとの連携事業です。
松澤農園さんの詳細
松澤農園さんがつくった野菜は、ふるさと納税などでお買い求めいただけます。
【松沢農園大玉トマト-ふるさとチョイス】
【Instagram】