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娘が贅沢な東京写真美術館デビューをした話。

今日は娘の希望により、先週のリベンジで東京都写真美術館。
恵比寿までなんとか辿り着き、動く歩道にめちゃくちゃびっくりしていた娘がかわいかったです。

「100かいだてのいえ」という絵本の作家で、メディアアーティストのいわいとしおさんの展示。娘は100かいだてのいえの大ファンで、何度も何度も、そして違うシリーズも、と読み重ねて来ました。

初期の映像装置を復元して体験できるようなコーナーがたくさんあって、絵本のイラストもたくさんあって、親子連れがとても多く人気の展示です。
いわいさんの作品がものすごく面白くて、『こんなにすごい人だったの?!』て驚嘆。

ピアノを使った装置があまりに人気で、何十分も待っていたら帽子を被ったおじさんが通りかかってバックヤードに消えていき、あれ?て思って
しばらくして戻ってきた時に『もしかして、、いわいとしおさんですか?』と声をかけたらご本人。(インスタグラムに見かけたら声をかけてくださいね、とあったのです)

むすめ、「わーーー!」わたしも「わーー!」周りざわざわ。握手してもらい、めちゃファンです!と伝えて娘ほこほこ。

今日はたまたま在廊だったらしく、周りの人は皆気づかず。

そのままお話してくれて、岩井さん独り占め状態の20分くらいプライベート解説してもらうという贅沢な時間でした。娘はとても喜んでいました。レアケースすぎるもん。私だったら泣く。

生き物のこと、創作のこと、暮らしのこと、展示の狙い、すごく面白く、いわいさんの絵本は結構シンプルな線で描かれているのに、とても生き物の特徴を捉えてるなーそこが子どもたちの心を掴むのかなーと思っていたら、庭に来る鳥や、リス、ヘビ、海の魚など、全て観察したり飼育して書いているらしいのです。さすがです。

ヤマガラは、ひまわりの種を食べる時必ず一粒目をおとして食べることをiPhoneのビデオで撮ってスロー再生して確かめたこと、家の木を剪定したら、リスの巣があったらしく仔リスたちが慌てて逃げたのを観察したこと、それを狙って蛇も来ること、今回の映像装置の復刻裏話など(装置のイラストと、出来上がる像のイラストしかなくて何度も作り直したりしたこと)

映像作品から、子どもが生まれて、自分も好きだった絵本を、一生に一冊は作りたいと思っていた時に舞い込んできた絵本の依頼に、100だてのいえを描いた話
映像装置の歴史も、せっかく貴重な資料があるのに学芸員さんですら手袋をはめてそっとそっと触ることしかできない。そういう展示ではなく、「誰かが『発見』してその感動を継いで色んな人が手を動かして作られたことを知って、自分で楽しんでもらいたい」と、今回レプリカを大量に作ったこと。

写真美術館でハンズオン展示は異例らしく、本人がメンテナンスしたり学芸員さんが消毒したり大変だけれど、「みんなが楽しんでくれて嬉しい」と笑ってらした。そして自ら外れたねじ締めをしたり、、娘に話しかけて、「娘ちゃんの名前にぴったりな場面が、そらの100かいだてのいえにあるんだよ〜みてみて〜ほら、もう娘ちゃんのためのページだね!」とスマホを出して画像を見せてくれたり(たくさん描いているからどのこにもたいていぴったりくるのがありますよと言ってらしたので皆さんもぜひさがしてみてね)とにかく優しい!写真まで撮っていただきありがとうございました。

娘うれしそう。

実験装置などは本当に本当に発明家なんだなとすぐにわかるほどのすごさでした。それが小学生の頃自分でおもちゃを作ることになって描いた発明ノートからも良く伝わって来ました。

2階の今森光彦さんの展示は、全国の四季折々の風景が、見落としてしまうような風景が、掘り起こされて生き生きと輝いていた。 鶴岡のカタクリ摘みやギフチョウの春、阿蘇の野焼き、北海道の冬の川などなど、盛りだくさん。娘はざーっと全て見て、これ、と一点決めてた。凍った川のつららの写真。

3階の「見ることの重奏」は娘は『しぶい。。』と一言言ったきり、でも母を邪魔したら悪いと思ったのか、写真たちに見守られるソファーで寝ていました。なんて贅沢なうたたねなの。その間にささっと見たけれど時間足りず、集中できず。マンレイは相変わらず良くて、プリントされた写真っていいよね、、と当たり前のことを当たり前に考えていました。

またいわいとしおさんの展示が見たいというので、また地下に戻りおしまい。娘、電車で爆睡中。楽しめたみたいで、良かった。
ずいぶん贅沢な、娘の写真美術館デビューでした。「ふつうそんなことないんだよ」と言ったら「ふーん、そうなの?いわいとしおさんやさしかったね!おうちいってみたいなぁ!」とニコニコしていました。運のいい人ですね、ほんとう。

そんな娘はせっせと今日の日記に、プラトーのフライングハート再現装置について書いて、図も模写していました。大人なら作家さんに会えた話したと書きそうなのに。ま、岩井さんも娘の気に入った作品がそうだと聞いて「一番苦労したのはプラトーのフライングハートなんだよ!探偵の様に手掛かりから一つ一つ実験して楽しかったんだよ!」とおっしゃっていた。きっと娘は作る人の方なのだと思う。

自分の一番興味のあることにまっすぐなのが清々しく、いいなぁと思ったのでした。

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