CS-73
A: 越中おわら - 福島佐久一 (富山)
B: こきりこ唄 - 勇崎博・北本希一 富山県麦屋節新声会 (富山)
(7" テイチク CS-73)
レア度:☆☆☆☆
内容 :★★★★★
越中レジェンド伯育男と並んで富山県民謡おわら保存会を支えた福島佐久一による"越中おわら"も最高ですが、富山県麦屋節新声会による"こきりこ唄"のバンドとしての完成度が素晴らしい。
一貫して柔らかに飛翔する笛の音とメディテイティヴな太鼓のリズムの上で覚醒を呼び覚ます鐘とささら、澄み渡る音頭取りの夜声や囃子の〽デデレコデンにもまして存在感を放つ〽ハイッの短いアクセント。
ちなみに富山県麦屋節新声会は元々は城端の新町若連中で、近郷の五箇山の麦屋節保存会が東京の日本青年館に招かれた全国郷土芸能大会の披露の帰りに立ち寄った地元のステージを目撃したことで衝撃を受け、衝動的に新声会を結成したと。
ロンドンからマンチェスターに飛来したSex Pistolsを観てしまった若きJoy DivisionやMorrisseyみたいな逸話ですが、こちらは大正14年のこと。何より注目したいのは我々がNew Voiceだという自覚。大正末期にパンクの種が蒔かれ、昭和に入ってニュー・ウェーヴが勃興したという僕らの知らない日本のインディー・カルチャーの話です。