SA-576
A: 秋田おばこ - 酒井千恵子 (秋田)
B: 秋田音頭 - 黒沢三一 (秋田)
(7" コロムビア SA-576)
レア度:☆
内容 :★★★★
民謡レコード聴取を進めるにあたって避けては通れない必修科目、黒沢三一の"秋田音頭"。労作唄や作業唄、座興唄や遊び唄としての単なる土地の唄から離れ、いわゆる「民謡」を「民謡」として(土地の人間自身が)意識的に唄い出した最初期の例のひとつです。
おらほの唄を聞かせよう、という自我の芽生え。それによって残った唄、そして残された土地の美意識、さらには選別され整えられたことで狭間に消えていった唄々。素朴に揺れた舞台民謡草創期のストーリー。
ともかく「秋田の赤い声」といわれた唄好きの大工がクルクルと繰り出すジャパニーズ・ラップ・クラシックな本作を聞かずに秋田は語れず、これさえ聞いておけば秋田は知ったも同然です。おばこ社中を伴ったA面の酒井千恵子もB面のレジェンドに引っ張られたのか落ち着いた訛りを披露しています。