TR-1046
A: 江差追分(前唄) - 初代浜田喜一・二代目浜田喜一 (北海道)
B: 江差追分(本唄・後唄) - 初代浜田喜一・二代目浜田喜一 (北海道)
(7" 東芝 TR-1046)
レア度:☆☆☆☆
内容 :★★★
掛け合いというだけでも珍しいのに、初代と二代目による合作で贈る意外に珍盤。病気から復活した後のステージでの"江差追分"は、初代は唄い切るのに体力が続かないとのことで二代目との掛け合い競演で凌いでいたとのことですが、それが録音として残っていました。
こうして聞くと声質自体は似ているのに明らかに艶や甘みが違うんですね。ここでは完全にプログレッシヴ浜田な組曲のようになって組み替えられているので竹内勉いうところの「三六の浜田」のようなものはいまいちわからないけれど、確かに初代は愛しくて切なくて心強くてロマンティック。
「二代目浜田喜一の唄う部分が『陽』なら、初代の受け持つ部分は『陰』である。ところが唄い終わってみると、客からの拍手があるのは、初代のところだけであった」
(竹内勉『民謡地図③ 追分と宿場・港の女たち』34頁より)
ソイ掛けは、小沢千月を発掘した功績でも知られる菊池淡水の盟友にして、日本民謡協会の内紛分裂時に反乱分子によって日本郷土民謡協会のトップに担がれた麻布の寿司屋の大将、青木好月。