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KHS-001

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埼玉の民俗音楽 万作シリーズ その1 円阿弥の万作 (埼玉)
(LP 東芝 埼玉県立民俗文化センター 委託制作盤 KHS-001 1982)

レア度:☆☆☆☆☆
内容 :★★★★★

茨城から千葉にかけても「小念仏」「飴屋踊り」等の名で広がり、葛西・浦安には「おしゃらく」(EM RecordからCD/LP化)として伝わった一連の芸能、というより娯楽。の埼玉ヴァージョン、その名を「万作」。

農閑期や野良仕事の合間に豊年万作を祝い楽しんだ農民自身によるDIYな複合ステージ芸で、その構成要素は農村ミュージカルにコメディ、ダンス・ショウに鉦叩き語りの民謡カラオケなど、いかにかつての関東の農民が芸に飢え、芸に達者だったかを物語る重要な遺物となっています。

三味線も取り入れ洗練を辿った海辺の「おしゃらく」と異なるのは、埼玉では太鼓と鉦をメインにおそろしく素朴にシンプルな音像の中で遊ばれているということ。唄も揺りやこぶしが複雑に入り組み完成度を高めある種Zappa化した「おしゃらく」に比べ、原初ロックンロールに回帰したかのような下手くそな節回しや棒読みの大根演技をそのまま受け入れたダイナミズムはやはりVelvet Undergroundチルドレンか。

手数の少なさと特有の平坦さ、おおらかな雑さに適当具合、そして無意識的な普段着感覚こそが埼玉で、その音や声やアンビエンスがそれぞれの土地柄をそのまま表していると知ったのは民謡(レコード)をたずねてから。

埼玉のOcoraと勝手に称される埼玉県立民俗文化センターによる非売品シリーズの記念すべきカタ番001で、敬愛する埼玉のCharles Duvelleのひとり、斉藤修平先生の仕事です。

ちなみにこの与野市円阿弥の住人が明治の頭に万作を初めて習った時の最初期メンバーはみな坂東の芸名を名乗ったそう。Ramone姓みたいですね。とするとPaul Ramonが坂東太郎で、すなわち利根川ということに。

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