センバツ 大島vs明秀日立 見どころ
第94回選抜高校野球
大会5日目 第2試合
大島(鹿児島) vs 明秀日立(茨城)
強力打線に対峙する離島のサウスポー
タイプの異なる「盾と矛の対決」
例年、破壊力のある大型打線を作り上げる明秀日立の金沢監督だが、今年のチームには相当な自信を持っている。それもそのはずで、秋は14本塁打が飛び出した打力に加えて、10試合で1失策という鉄壁のディフェンスも見せつけて関東チャンピオンの座についた。
一方の大島は今大会でも屈指のサウスポー大野の左腕に命運をかける。
大島は毎年「1番勝ちたい気持ちが強い人間」を主将に任命する。今年は武田が主将を任された。
塗木監督はこのチームを「負けることを恐れないチーム」と称している。
投手力、守備力
大島はサウスポーの大野が絶対的なエースとして君臨する。出場校にとって「初戦では当たりたくない投手」だろう。美しいフォームから繰り出されるMAX146キロのストレートは球速よりもむしろ伸びがあるのが特徴だ。九州大会の準決勝、決勝は武田を中心とした投手で戦ったが基本的には大野の先発完投となるだろう。
気がかりなのが秋にはエラーからの失点が多かった点だ。甲子園では1点勝負となるだけに守備から崩れるようだと厳しくなる。
秋は右腕エース猪俣の安定感が光った。基本的に130キロ台のストレートとスライダー、フォークで打たせて取る投球だ。走者を出しても落ち着いた投球を見せた点が印象的だった。また秋に登板のなかったサウスポー石川も速球派の好投手。センバツには間に合う見込みなので出番があれば注目だ。
そして何より秋の明秀日立のエラーの少なさは出場校中でトップの数字を残した。猪俣が打たせて取る投手だけに心強いだろう。
攻撃力
明秀日立の攻撃力は何と言っても長打が魅力だ。秋には14本塁打を打ち、破壊力を感じさせた。4番武田、5番猪俣は非常に力強く、打順に関係なく長打があるため相手投手は気が抜けない。
ただ1試合平均でも3本以上の長打を放つ一方で、四死球と同数の三振を記録している。
基本的には低く強い打球を心がけているが、大野の投げるボール球に手を出して打ち上げる展開になると打ちあぐねる可能性もある。
大島打線は長打は少ないが勝負強さがある。明秀日立のような破壊力は感じない一方で、大野、武田、西田と並ぶ上位打線はコンパクトに振り抜く力がある。
課題となるのは秋は下位打線がやや弱かった点か。あとは1番を打った有馬が秋は不振だった。有馬が復調してくれば得点力に大きく影響してくるだけに心強いだろう。
見どころ
何と言っても「大島のエース大野が明秀日立の強力打線にどう立ち向かうか」がこの試合のメインテーマ。
明秀日立が大野を攻略するようであれば、大島は厳しくなるだろう。
大野は振り回してくる明秀日立打線に対してボール球を上手く使いたい。それだけにこの試合は捕手のリードが重要となりそうだ。
大島打線は秋に終盤の得点が多いのが特徴的なだけに、明秀日立投手陣は球数が少ない状態で後半を迎えたいところだ。
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