「アートを楽しむこと」は広めていくべき体験価値だと思った|HOTEL SHE, KYOTO 岸えりなさん #アートをしゃべろう
rHOTEL SHE, KYOTOの岸えりなさんと「アート」についておしゃべり。
HOTEL SHE, KYOTO × Casieのコラボ企画「GALLERY HOTEL SHE, 泊まれるギャラリー」開催を記念して、本企画に込めた想いや、アートや映画・音楽が大好きな岸さんがおすすめする、京都のアートスポットを紹介していただきました!
「泊まれるギャラリー」がHOTEL SHE, KYOTOに登場
──はじめに、岸さんがホテルマン・グラフィックデザイナー・広報PRをつとめる「HOTEL SHE, KYOTO」について教えてください。
岸 えりな(以下、岸):HOTEL SHE,(ホテルシー)は、京都と大阪の二拠点で運営しているホテルです。コンセプトは「ライフスタイルの試着」。ホテルを新しいモノや価値観を提案するプラットフォームだと考え、ライフスタイルのあらゆる意思決定のシーンで、選択肢の多様性にあふれた社会を作ることを目指しています。
たとえば、すべての客室にレコードプレーヤーを設置し、レコードに針を落とす体験を提供しているのもそのひとつ。最近はレコードが再ブームになりつつありますが、実際にレコードを手にとって、針を落とす経験をしたことがある人ってまだ少ないと思うんです。そういった"多くの人が関心はあるけどトライのハードルがちょっと高い"体験を、当館へのご宿泊を通して味わっていただくことが、その方にとって多様な価値観や選択肢を持つきっかけになれば嬉しいです。
──9月17日(土)からの1ヶ月、Casieとのコラボ企画「GALLERY HOTEL SHE, 泊まれるギャラリー」が開催されます。どんなきっかけで、この企画が生まれたのでしょうか?
岸:私自身、大学時代に美術の勉強していたこともあって、アートがかなり身近な存在でした。しかし、社会に出てみて気づいたのは、日本の社会全体では、アートを楽しむことやコレクションする文化が、まだまだ根付いてないということ。そういった「価値」や「文化」を提供する企画は、HOTEL SHE, で掲げている「ライフスタイルの試着」にもすごくぴったりですし、広めていくべき“体験価値”なんじゃないかなと思って、今回、Casieさんとのコラボを企画しました。
──私たちも、密かにHOTEL SHE, さんとコラボしてみたいなと思っていたので、嬉しいです。岸さんが、この企画を通して宿泊者の皆さんに感じて欲しいことは?
岸:アートって、受動的に体験するものではなくて「能動的」に体験するものだと思うんです。今回の「泊まれるギャラリー」では、色々なアートを鑑賞をした上で、自分がいちばんいいなと思った作品を選んで、実際に飾って、改めてその作品のどこに魅力を感じたのか振り返ることができます。その一連の流れを通して、自分だけのアートの楽しみ方に気づけたり、自分自身を捉え直すきっかけになればいいなと思っています。
また、お連れ様とご宿泊される方は、選んだ作品の気に入ったところを意見交換していただけるとより有意義に本企画を体験していただけると思います。またホテルスタッフにもぜひお声がけいただいて、作品の感想や気に入ったポイントなどをシェアしていただきたいです。
手に入れたような「特別感」を味わって
━━今回「泊まれるギャラリー」で展示される作品は、HOTEL SHE,さんにセレクトしていただきました。どんなテーマで作品を選ばれたのでしょうか?
岸:「色々な捉え方ができそうな作品」を中心に選んでみました。今回、いちばん体験して欲しかったのが、「自分が魅力を感じるポイントを頭の中で整理して、アートについて考えること」だったので、一見タイトルと絵の内容が一致していなそうな作品や、抽象的な作品などを積極的にセレクトしています。
またCasieさんの作品はすべて原画作品だったので、平面作品の中でも色々な質感やタッチを楽しめる作品も選びました。至近距離で、しかも自分が手に入れたような感覚でアートを鑑賞する機会ってなかなかないと思うので、そういった“特別感”もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。
━━岸さんご自身が、特に気に入っている作品はありますか?
岸:Casieさんのサイトを見てすぐにビビッときたのが、Asuka Eoさんの作品です。モノトーンでシンプルなデザインだけど、可愛らしさもあって柔らかい印象を受けました。「モノトーン=クール」みたいなイメージを覆すようなところが好きだなと感じ、今回の企画でも数点展示させていただいています。開催期間中には作家さんの在廊日も設ける予定なので、そういった体験も含め、ご宿泊の皆様にとってビビッとくるアートが見つかれば、すごく嬉しいです!
映画の楽しみ方を教えてくれた「京都みなみ会館」
──さいごに、岸さん的「アートの楽しみ方」についても教えてください。
岸:昔からアートが大好きなので、美術館やギャラリーには頻繁に通っています。アーティストさんのグッズなどを買うことはよくあるのですが、原画作品を買ったことはまだなくて。そういう自分の経験もあって、今回の企画は個人的にもすごく楽しみですね。
アート以外に音楽、映画も大好きです。休日は友人がやっているバンドのライブを観に行ったり、京都にはミニシアターがたくさんあるので、映画をよく観に行っています。
──京都周辺で、行ってみて欲しい「おすすめのスポット」はありますか?
岸:HOTEL SHE, KYOTOから自転車で5分くらいのところにある「京都みなみ会館」という映画館ですね。ほかではなかなか観ることのできない昔の名作や、さまざまなジャンルのちょっとコアな作品を上映している映画館なんです。はじめて「京都みなみ会館」に行ったのは大学2年生の時で、ゴダール(ジャン=リュック・ゴダール)の特集を観に行きました。それこそ、初めてゴダールの特集を観たときは「なにこの映画、どうやって観ればいいのか全くわからない」という感じだったんですけど、家に帰ってからゴダールについて調べたり勉強してから、もう1回観に行くと「なるほど!」となって、その楽しみ方がクセになるんです。
── その楽しみ方って、アートや音楽にも近いところがありますよね。
岸:そうですね。全く分からない段階でも、鑑賞したときに何かしら感じることはあると思うので、帰り道にそれを振り返ってみたりとか、家に帰ってから調べてみるとさらに楽しめるという点は全く一緒だと思います。「こういう作風だから、私はこう感じたのか」と、自分で分かるようになってくると、より一層楽しめるのではないでしょうか。