第8話 コンサルファームへの志望動機は何を話せばいいの?【JTCからコンサル転職へ】
拙者は、ケース侍田中。
JTCの社内調整業務に辟易し転職活動を始めることにした。
【前回のあらすじ】
転職先の応募方法は、リファラルを考えて無理そうなら転職エージェント経由が王道である。
コンサルティングファームの選考準備を進める中、拙者は選考で伝えるべき志望動機を考えていた。
ぶっちゃけ、田中のコンサルへの転職理由は、
「コンサルという響きがなんかかっこいい」、
「給与が上がりそう」、
「タワマンに住めそう」
「成長できそう」、
「どこでも身につくスキルつきそう」、
といったものであった。
でも、流石にこれだと百戦錬磨のコンサルティングファームの面接官を説得することは難しいことを感じていた。
なので、拙者は頭を振り絞って面接で話す志望動機を練り上げる必要があったのだ。
(数日後)
なんとか志望動機を練り上げた拙者は、現役戦コン侍からのフィードバックを求めることにした。
そして現役戦コン侍とのMTGになった。
現役戦コン侍「では、志望動機を教えてください」
いつも通り無駄な話をせず、話しの要点をズバッと切り込む現役戦コン侍。
空気に緊張感が走る。
拙者は練り上げた志望動機を臆せずに伝えることにした。
田中「はい、企業の経営層の問題を解決し、世の中に大きなインパクトを与えたいからです。それが出来るのがコンサルという仕事だと思っています」
現役戦コン侍「では、田中さんが想定する経営層の問題ってなんですか?」
田中「…」
早速に言葉に詰まる拙者。実際、そんな問題とか具体的に考えていない。
現役戦コン侍の質問は容赦なく続く。
現役戦コン侍「答えられないのは話になりません。
では、世の中に大きなインパクトというのは具体的にどういった状態やインパクトを与えられたと思ったら田中さんとしては目標を達成できるのでしょうか?」
田中「はい、そうですね、やはりみんなの笑顔があふれて幸せな状態だと思います!」
現役戦コン侍「回答になっていませんね。抽象的すぎます。笑顔で幸せなんて当たり前すぎます。田中さんの志望動機は誰でもいえることで全く響かず、コンサルの業務や役割を理解しているとは思えないです。田中さんの過去の経験やスキルとの結びつきがなく、なぜ、自分がコンサルを志望しているか全くわかりません。門前払いされますね」
田中「…」
ぐうの音も出ない拙者。
このまま終われば次につながらなそうなので、なんとか食らいついてみよと考える。
田中「では、別に用意した志望動機を語ってよいでしょうか?」
現役戦コン侍「どうぞ」
田中「コンサルの志望動機は、圧倒的に自己成長したいからです。ポータブルスキルを身に着けてキャリアの幅を広げたいと思っています」
現役戦コン侍「具体的に自己成長はどの様な状態になっていればよいのですか?また、キャリアの幅を広げるとは、今後どういったキャリアを歩みたいのですか?」
田中「そうですね…。自己成長はとにかくいろんな案件を出来るようになりたいです。キャリアの幅はいろんな業界にいけるようになりたいです」
現役戦コン侍「こちらも抽象的すぎて話になりませんね。
本当にコンサルを志望していますか?
そもそも、コンサルという仕事はクライアントワーク=サービス業になります。クライアントの成長を支援する仕事なのに、クライアントの目線がなく自分だけの成長に視野が留まっており違和感がありますね。
自己成長というならば、別にどの業界、どの職種でも必要になるため、コンサルである必要も感じませんでした。
全く響きませんね」
田中「…」
ここまででノックアウトだが、恥を捨て拙者は尋ねた。
田中「コンサルの志望動機はどの様に答えればよいでしょうか?」
現役戦コン侍「ケースも同じですが、答えを人に求めてはだめです。
まず自分で考える癖をつけてください。
志望動機は個々人の経験や価値観によるもので自分で深ぼる時間は必要になります。
また、選考では志望動機は深堀りされるので、付け焼刃の言葉や人から与えられた言葉だとメッキがはがれ薄っぺらくなります。
苦しいですが田中さんの中で深堀りして、自分の言葉で語れる準備をする必要があります」
田中「ですよね…」
もう、拙者はぐうの音も出ないのであった。
―――――――――――
田中が陥ったように、コンサルはいろいろな業界や案件がある分、志望動機も抽象的な言葉で留まりがちである。
しかし、抽象的な言葉になってしまうということは実は考えることを止めているとも言える。そこの部分をコンサルの面接官は見抜いてくるのだ。
そもそもであるが、転職先の仕事の理解が浅かったり、自分の言葉で語れない人間を企業は採用したいとは思えないだろう。
特に、コンサルは伝えることが仕事になる。
伝える力はシビアに見られ、それは志望動機でも変わりない。
一例ではあるが、次の様に志望動機を自分の過去の経験を交えて説得力を持って示したい。
■志望動機例
「コンサルの志望動機は、xxの領域で貢献の幅を広げたいからです(ビジョンの提示)。私は、これまでxx業界で、xxといった仕事してきました。仕事の中で、xxといった問題があることに気づき、解決を試みましたが、xxといった観点で現在の会社、現職では難しいと感じています(ビジョンが生じた背景・理由)。コンサル業界であれば、xxといった観点から、この問題解決に貢献できると考えて志望しています(志望先でビジョンが叶えられる理由)。
これまでの業務で培ったxxも活かせると考えます(志望先で活かせるこれまでの経験)。クライアントのxxといった問題、ひいては、xx領域に寄与していきたく、貴社を志望しています(まとめ)」
また、面接官は選考で候補者の志望動機の説得力を次の2つのポイントで見ていると思われる。
①思考の深さ
・志望動機を自分の言葉で具体的に語れるか
②コンサル業務の理解の解像度
・憧れているだけでなく、実際のコンサルの役割や仕事内容を捉えられているか
・ また、自分が目指すキャリア像とコンサルの仕事がずれていないか
上記の2つのポイントからコンサルの素養を有しているか(コンサルの適性があるか)を評価していると思われる。
ちなみに、志望動機が抽象的な言葉で留まる原因は次の2つが多い。
①コンサルの仕事・役割の内容が不足している
②内省が不足している(考えが浅くとどまっており、具体的な経験や自分の過去の出来事とコンサルを目指す動機が説得力をもって紐づけられていない)
対策としては、
① コンサルの仕事・役割の内容が不足している
→
理解を深める。書籍や動画での調査、経験者から話しを聞く。
■お勧め本
・採用基準
・コンサル1年目の教科書
・コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル
・コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト
② 内省が不足している
→
・頭だけで考えず書き出しすことで整理していく
・一人ではなく、メンターと整理していく
志望動機は選考の中で必ず聞かれるので、しっかり準備しよう。
必ず聞かれる質問は準備できる質問と言える。
つまりは、準備できる質問なのに、回答が不十分だと選考上大きなビハインドを負ってしまうので備えていこう。
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今後、戦略ファームを目指される上で大きな刺激・参考となるはずです。