人生で最高の1年、ベルギー駐在。
「海外駐在できないなら、辞めます。」
商品企画の仕事は面白かったが、2年間も同じ仕事をしていると、トヨタでは完璧な型があるので、どうしても歯車のように感じ始めました。私は、入社3年目の頃、上司に「海外研修に行けないなら辞める」と言って、半ば脅しのような形で、海外研修を手に入れました。
ベルギーでの1年は最高でした。あまりにも充実していて、幸せ過ぎでした。他にも同期が5人くらいベルギーに駐在していて、週末には一緒にヨーロッパを旅行しました。仕事が充実していたから、プライベートでも良い縁があったのでしょう。将来夫となる人ともベルギー駐在中に知り合いました。
海外駐在から戻り、もっと海外に行きたくなる。
1年のベルギー駐在があっという間に終わり、再び古巣で1年間働きました。懐かしい同僚と再会し、日本の快適な生活も良かったのですが、海外に行きたいという思いは更に強くなりました。ヨーロッパでの生活がどれほど楽しいか知ってしまったからです。
海外研修に行かせてもらって、たった1年で転職するのは悪いとは思いました。でも、次の海外駐在のチャンスまであと3年間も豊田市で働くのも長すぎでした。トヨタでは、だいたい一度海外に行かせてもらうと、次のチャンスまで4年が慣例でした。
特に、私がベルギーから戻ったのは2009年。トヨタは、アメリカでリコール問題が起き、リーマン・ショック後の円高で苦しい時期でした。仕事内容も、原価低減のような地味な仕事が中心でした。楽しかった『iQ』のデザイン調査のような心躍る仕事は少なかったです。