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語学留学のデメリットは、クラスメートの知的レベルがバラバラすぎること。

セレブな日本人夫婦の暮らしに憧れる

大学受験を終えた夏、カナダのバンクーバーに語学留学しました。小学校6年生の1年間、ドイツに暮らしてから、海外への憧れを持っていました。でも、中学校、高校の6年間は勉強ばかりの退屈な生活でした。飛行機の窓から見下ろしたバンクーバーの綺麗な町並に心が躍りました。

バンクーバーは山と海の両方がある美しい街です。語学学校が始まる前に、知人の日本人ご夫婦の家にお世話になり、バンクーバーの自然に囲まれた豊かな暮らしを数日間楽しませていただきました。庭にジャグジーがあり、乗馬にも連れて行ってもらい、お家も素敵で、豊かな暮らしはため息がでるばかりでした。

「移住したい」と思うほどの美しい自然に囲まれた暮らし

セレブな日本人ご夫婦の家での暮らしは数日で終わり、カナダ人家族の元でのホームステイが始まりました。郊外にある質素な家でしたが、50歳くらいの夫婦は仲が良く、白い大きな犬もいました。

夫婦ともに、ぽっちゃりで、私もここの暮らしで激太りしました。特にホストマザーが作ってくれたクッキーにはまり、いつも食べていました。帰国後、母にレシピを見せると「これはすごいカロリーだよ」と驚いていました。カナダにいる間に、走るとお腹の肉が揺れる、というデブ体験をしました。

語学学校が始まっても、授業は3時頃には終わり、その後には、山登りをしたり、ダウンタウンを散策したりする時間がたっぷりとれました。やはり、夏の大自然が美しく、「カナダに移住しても良いのではないか」とまで思いました。

また、巨大な映画館や大きなクッキーの食べられるカフェなど、札幌の高校生だった私が経験したことのなかったことも簡単に手に入りました。他のアジア人の留学生と友達になり、シアトルやロッキー山脈などに小旅行へも行きました。親元を離れ、海外で自由を謳歌できて、19歳の夏としては最高の思い出でした。

語学学校の現実:アカデミックな内容は期待できない

他方で、語学学校の授業は、満足いくものとそうでないものがありました。国際政治、ジャーナリズム、コンピューターなどの授業を取ったのですが、あくまで英語を勉強する素材として、という感じでした。クラスメートも、学力ではなく、純粋に英語力でレベル分けされています。私自身、皆の議論内容を完全に理解できる英語力はなかったです。それでも、感情的な話し方、建設的ではない、バラバラになりがちなクラスの雰囲気に落胆することも多かったです。

とはいえ、カナダの先住民の文化について習った授業では、屋外で自然に触れながら優しい先生の話を聞くことが多く、それはとても楽しかったです。先生に恵まれれば、語学学校でも、英語の勉強だけではない深い学びの喜びを体験できるのだと思います。

そういう意味で、私の語学留学に対する一番の懸念は、交換留学や学位のとれる正式な留学と異なり、周りのレベルがバラバラであることです。会社や学校では私達は自分に近い人に囲まれています。教習所や免許の更新に行くと、社会の幅広さ、自分の生きている社会の狭さを感じることもあると思いますが、語学学校はいわば教習所です。移民、学生、セレブ妻、いろんな人がいます。もちろん、そこで広い世界の友達との出会いもあると思いますが、私個人の好みとしては、自分以上の知的レベルの人と刺激し合った方が、勉強への興味は長続きするように思います。

語学は単なるツール、と言う資格

東京に戻ったとき、「留学は楽しかったけど、英語は所詮ツール。日本で頑張ろう」と感じました。それは、やはり語学学校における授業への落胆もあったと思います。

ところが、帰国子女枠で入学してきたアメリカ育ちのクラスメートから「英語を『ツール』と言っていいのは、英語を本当にツールとして使える人だけ」と言われました。

私は、そのレベルではないので、自分も『ツール』と言えるようになろうと思いました。彼は、留学に改めて興味をもった私を見て喜んでいた。「日本の高校から来ている学生に比べて、受験を経験していない自分は、勉強はできない。でも周りの優秀な学生に、海外に興味を持ってもらうなど、いい刺激を与えることが、帰国子女枠で入った自分の役割だと思う」と話していました。

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