倒産する大企業の前兆について社員が語ってみる。
先日、私が勤めている大企業が、経営破綻しました。
経営破綻や倒産がどういうことかというと、
・資産より負債が多くなっており、債務超過となった
・銀行がお金を貸してくれなくなった
ということです。
こうなると、公式な再生手段を行わない限り経営は継続することができません。
社員目線でいうと、ああやっぱりそうなったか、というのが社員の本音です。
ということで、
大企業が倒産する前兆ってどんなことがあるの?
という点について、社員目線で経験談をまとめてみようと思います!
一般的なサイトに書いてあるような、経費削減などは当たり前なのでここでは書きません。
※記載内容は、社外ですでに報道されている公開情報を社員の目線でまとめる記事となります。未公開情報は一歳、記載しておりません。また、企業名は一歳開示致しません。
大企業あるある!経営層が無謀な経営規模拡大を行う
過去にも経営破綻した大企業は世界中で枚挙にいとまがないわけですが、色々調べていくと、大企業が経営破綻する場合はほぼ必ずと言っていいほど無謀な規模拡大を行なっています。
例えば三洋電機、シャープ、日産自動車、東芝。
これらの企業は四方八方に幅広く業種を広げたり、規模拡大を目指したり、お門違いの投資をしていました。
非常に優れた製品を作って販売していたのに、経営者が無謀な投資や無謀な経営拡大を行なったことが原因で、会社の財政状況が崩壊してしまったのです。
筆者の企業も漏れなく、このパターン。
経営陣が思いっきり投資を見誤ったために資金繰りが一気に悪化し、そこにコロナが来たためとどめとなったのです。
もし、経営陣が過去に無理な投資なんかしなければ、コロナが起きても今でも銀行からお金を借りることはでき、破綻までは行かなかったはずです。
ということで、勤め先がやたらと色々な業種に手を出し始めたり、販売目標を数を増やし規模拡大をすることに軸足を置いている場合は、大企業でも危険だと思った方が良いでしょう。
意外?中途入社の社員が短期でに辞めていく
これも大企業あるあるなのですが、経営が危ない大企業は、中途入社の社員がとにかく定着しません。さっさと短期間で、辞めていきます。
これがなぜかというと、転職するような人はそれなりに社会を見てきていたり、勉強をしたり自己研鑽をしている人が多いため、プロパー社員と比べると危機を嗅ぎ分ける嗅覚が優れているからです。
加えて、中途入社の社員が馴染めないような大企業は変化を起こせない社風がこびりついていることも大きな理由としてあります。変われないことは現代のビジネスにおいて大きなリスクであり、この社風の面でも潰れる大企業の前兆と捉えることができるでしょう。
中途社員がどのくらい辞めていくのかどうかは、口コミサイトを見ることが最も確実です。大企業なのに中途入社の社員の口コミが多い場合は、あれ?と思った方がいいかもしれません。
ちなみに弊社についても、見事に中途入社社員が定着しませんでした。筆者も中途で入社して今年で4年になりますが、2年ほどで辞めていく、もしくは入社して1年で去って行く人もたくさん見てきたのです。たった4年なのに中途入社の中では古株になってきてしまい、この粘り強さは次の転職の時にアピールしようかな、と思っています。汗
大企業あるある!経営陣が財務諸表しか見てない
過去に経営が厳しくなった大企業の経営者を見ていると、これもまた、共通点があります。それは、経営陣が現場に足を運んだり自社の製品、サービスには目もくれず、財務諸表しか見ずに企業の空論で経営方針を決めている場合です。
例えば過去に経営が窮地に陥った日本マクドナルド。
当時の社長は、徹底したコストカットに舵を切り、お客さんや従業員を無視した、まさに財務諸表命の経営を行なった結果、ますます窮地に陥らせて退任しました。その後新たな社長は社員とお客様を大切にし、現場を見て経営を立て直したことで知られています。
お次の参考事例は、日産自動車。
某国に逃亡した、今や犯罪者の前社長ですが、彼が行なったのは新しい技術への投資ではなく、これもまた徹底したコストカットでした。その後販売台数の拡大に舵を切って見事に経営が転けたということで、いっときはよく見えても長期的に見たら潰れる大企業の典型例となったのであります。
で、筆者の企業もまさに、経営陣は財務諸表ばかり見ていました。財務諸表だけ見てもビジネスは回りません。結果的に、自分たちがいかに儲けるかだけ見ていた経営者たちは会社から追い出されることになります。
BtoBの取引先が撤退していく
大企業は大企業通りの取り引も多いものです。
そして、大企業の財務状況が怪しくなってくると、取引先の大企業が取引を撤退していきます。
どういうことかと言いますと、大企業ともなればお取引先もメガバンクとなってきます。そして銀行や関係者から「どうもあそこが危ないらしい」と、裏口で聞いたりするのです。
筆者の企業が経営破綻する半年1年前くらいから、大企業の取引先が徐々に取引を撤退していくということが、実際に起こっていました。弊社の与信が怪しいから、と言うことだったのですが、社員からすればそれは言い訳で儲からないからじゃないの?なんて呑気に思っておりました。。
売掛金、買掛金の条件を変更する
これは合法的なことなので一般的でもあるのですが、大企業がこれまでの慣行を変えてまで、売掛金の回収期間を短くし、買い掛け金の支払い期限を先延ばしし始めたら、いよいよ会社のキャッシュフローが危険水域に入ったことを意味しています。
大企業というのは基本的には現金にも体力があるはずでして、なおかつ顧客やお取引先様とは長い歴史があるのが一般的です。
それなのに、支払いを先延ばしにして、売り上げたお金を短期回収するという劇的な変化を起こさねばならないという場合は、それほど経営が窮地に陥っていることを意味しているのです。
筆者の企業もこの対策を行ったのですが、特に取引先様は非常に戸惑ったようで、これもきっかけとなって企業の信用を失い、取引停止となった案件もあったようです。
経理役員が退職or解雇される
会社が経営破綻する3ヶ月くらい前になると、ついに、経理役員が退職していきます。
大企業というのは、実は社長はお金がよくわかっていないけど、経理の役員がCFOとして実際の経営を見ているのですが、この経理役員が退職もしくはクビになったということは、彼らほどの力を持ってしても経営再起不能と判断したからになります。
筆者の勤める大企業も、経営破綻の数ヶ月前に、CFOが退職していきました。
経理役員が辞め始めたら、あなたも速攻、転職活動を開始しましょう!
経営破綻した大企業に残るべき?いつ辞める?
経営破綻する大企業の前兆について経験をまとめてきました。
そして、筆者の経験から倒産しそうな大企業をいつ脱出するかのおすすめタイミングは3つです。
①経費削減が始まった→転職サイトに登録。情報収集開始
②会社資産の売却が始まった→面接開始
③経理が辞め出した→退職開始
なんらかの再生法が施工された場合に企業が存続できる確率は3割とも言われています。要するに大企業でも10社経営破綻したら生き残れるのは3社なのです。
よって、大企業だからどうせ復活するべ、転職するくらいなら1,2年厳しくても耐えて淡々とやるか、、というのは通用しない可能性が高い、ということです。
今や転職は当たり前の時代ですから、泥舟からはさっさと抜けて、成長している企業にマッピングしていきたいものですね!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?