胸に引っかかった消化しきれない思いをときどき浄化する我が子達の話。
それは長女からの突然の質問で始まりました。
「ねえ、ママ。ちょっと2人で話したいことがあるんだけど…。」
と誘われ、
(お、なんだ、なんだ。)
と思いながらも、
「うん、いいよ。」と聞き始めると、
なんだか話しにくそうな、恥ずかしそうな素振りを見せつつ話し始めた長女。
「ねぇ、ママ、思い出したくないから忘れたいけど、でもどうしても時々思い出しちゃうことってある?」
「う〜ん、どうだろう…。どうして?」
と返すと、
「私が5歳の時さ、友達のバースデーパーティーに行った時にさ、
ピエロがお母さんの髪の毛を1本引き抜いてきたらキャンディーくれるって言ってさ、私、ワサ〜って引き抜いちゃったのって覚えてる?」
「あ〜、そんなこともあったね。うん、覚えてるよ。」
「あのことがさ、いつも頭から離れないっていうか、忘れたいのに忘れられないんだよね。ママに本当に悪かったなって思って…。」
と、突然の懺悔の長女に、
「おお…、そ、そうか。」
と受け止める私。
言われれば思い出すけれど、
本人が思っている以上になんとも思っていなかった私。
そのことで長女が悩んでいたなんて梅雨知らずだったので、
今回話してくれたことで気持ちが軽くなることを願いたい。
「そうか〜、そんなにインパクトがあったんだね、確かにあれは酷かったわ。でもあなたが言うまで忘れてたくらいだからもう心配しないで。」
と伝えると共に、
「私も実は悪かったな〜。って思う出来事あるんだけど話そうか?」
と次は私の番。
「あなたの弟が生まれてすぐのお正月にお友達のお家に遊びに行ったでしょ。あの時パパも酔っ払っちゃってさ、ママも疲れてたから先に弟連れて帰って寝かしつけたら、そのすぐ後に大きな声でシュークリームの話しながら帰ってきたときに、「うるさいよ!何考えてんのよ!」って怒鳴ったじゃない。あれ覚えてる?」
「あ〜、あれね。うん、覚えてるよ。なんでママあんなに怒ってるんだろう?て思った。」
と長女。
「ママはね、あの時のあなたの顔が忘れられなのよ。シュークリームが嬉しかったのを伝えたいだけだったのにね。あの時はごめんね。」
と今更ながら謝るチャンスをくれた長女に感謝しながら反省する母。
「え〜、大丈夫!私なんとも思ってなかったからその事。」
「そうか、よかった。ママもあなたが忘れらないことを忘れちゃってるくらいだから、もう気にしないで大丈夫だよ。じゃ、これでおあいこだね。」
と二人でお互いに懺悔をし合い、
胸に引っかかっていた思いは浄化されました。
で、
このバイブレーションが伝わったのか数日後に次女が、
「ねえ、ママ。2人だけで話したいんだけど、いい?」
と言われ、次は何だろう?と思いつつ、
2人になると、いつになく静かに話始める次女。
「私がさ、まだ小さい頃さ、公園のうんていにぶら下がって降りれなくなった時にさ、何回もママ呼んだのに、ママは来なくて結局落ちて私泣いたことあったでしょ、あれ覚えてる?」
「え!う、ううん、覚えてないかも…ママ、その時何してたの?」
「ママは電話(スマホ)に夢中だった…。」
「え!それは本当にママだった?ヘルパーさんじゃなかった?」
と聞くと、
「ううん。ママだった。時々思い出すの、あの時のこと。どうしてママは助けてくれなかったんだろうって…。」
おおっと…。
自分の身を守るつもりはさらさらないが、本当にこのことを私は覚えておらず、もしかして私とその時に雇っていたメイドさんと記憶が入り混じってるんじゃないかなと思ったけれど、
(目撃者からのタレ込みがあり明るみになった事実がありました。)
その時のことを次女が胸の内に抱えていたのかと思うと、
どちらにしろ申し訳ない気持ちになりました。
「そうか。どうしてその時電話に夢中になってたんだか分からないけど、ママが駆けつけずに電話ばっかり見てたから悲しかっんだよね、ごめんね。」と伝えると、
「ううん、いいよ。」と次女の言葉。
長女とはまた違う形の告白だったけれど、
こうやって子供達は消化しきれない思いを浄化していく術を身につけているんだな、と気付かされた出来事でした。
さて、次は長男からの呼び出しがかかるのかな。
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