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「ホーム」とはなんぞや?

この記事は「結構前に書いたがあまり読まれず埋もれていた」ものを、”みーさん”というNoterさんがイイネしてくださり浮き上がってきた記事で、それをリメイクしたものです。

みーさん、有難うございます!自分でもこんな記事を書いていたことを忘れていました。

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私の実家は宮崎にあります。

そこで生まれ育ち、学校にも通い、友達もいて、今でも親戚がたくさん住んでいて、両親も高齢になってきましたがまだまだ健在です。

そこから若かりし頃に単身東京に移り、主人と出会い、結婚して、現在はシンガポールで暮らしています。あの頃は自分が海外生活するなんて思いもしませんでした。

シンガポールに移り住んでからは1人だった子供も3人に増えて、毎日賑やかに慌ただしく毎日が過ぎていて、日本を離れる時には2〜3年で戻る計画だったのに、あれよあれよと月日が過ぎて今年でもう11年目のシンガポール。

すっかりシンガポールドルの感覚にも慣れました。

実家を離れてかれこれ25〜6年になり、「よそ」で生活する年数の方が上回るようになったけれど、それでもやはり今でも実家は私にとって「戻る」場所です。

ちなみに私の子供達にとって日本は「行く」所です。もちろん私の実家も。

そしてうちの主人はアメリカ出身。そこから一人日本へ飛び立ち、東京で私に出会い結婚し、シンガポールに移り住んで今に至り、彼もかれこれアメリカを離れて20年以上が経ちます。

と、長年アジアに住み続ける主人に、こないだふっと疑問に思っていた事を尋ねてみました。

「 これだけ長い間アジア圏に住んで、自分がマイノリティでいる事が当たり前になって、久しぶりにアメリカ戻ったらやっぱり違和感あるの?」

実はこれは私が時々日本に戻った時に感じる事で、同じアジアだけれど、日本に戻ると良い面も沢山ある反面、窮屈に思えてしょうがなく感じるようになってきています。長年アジア圏に住む、見た目も全く違う人種の主人はどう感じながら生活しているんだろう。と普段から思っていました。

で、主人の答えは久しぶりにアメリカに戻ると自国なのに「緊張する」とのことでした。

しかしながら実家に戻り、家族で話したり、友達に会ったりしているうちに段々と肌も昔を思い出し、気持ちも馴染んでいくとのことでした。

この、兄弟6人賑やかに育った主人のアメリカの実家は、それぞれ子供が巣立ち、広い家にはご両親が2人きりになり、暫くすると体調を崩されてしまったので最近売却されてしまいました。

事実上、主人の戻れる「ホーム」はなくなってしまったのです。

             実家がなくなる...

親子代々、土地も家も次の世代に受け継がれ、同じ墓に入るようなのが当たり前の世界から出てきた私からすると、実家がなくなるって想像ができないことでした。

いろんな思い出が詰まってあるだろう実家、そんな実家がなくなるなんて子供の頃には到底思いもしなかっただろうに。

歳を取れば当たり前の事かもしれないけれど、現実に目の当たりにすると、主人の事ながら、不変だと思っていた全てが覆され、ぐらついて不安定になって、自分の一部がはがされてしまった、とそんな感覚がしたのと同時に、何度も訪れたあの場所はもう誰か違う人の家になってるんだ。と思うとなんとも切ない気持ちになりました。

どんなに酔っ払っても、遠く離れていても、帰巣本能が働いて、朝気が付けばちゃんと「ホーム」に戻れていた。

「これからアメリカに戻ったら、どこへ向かえばいいんだろう。」

そう主人は話してました。

              「ホーム」

ホームって何だろう。とこの時ズッシリきた。

実家を出て自分が親となり子供ができると、自分の家族が出来てそこが自分のホームになるわけで、東京からシンガポールに移り、家族で住んでいるこの家が今の私達の「ホーム」

なので、物質的な「家」ではなく、家族が一緒に生活しているこの空間を「ホーム」というんだろうな。という結論。そして子供達にとっては、私と主人が存在する場所が「ホーム」となるんだろう。

それでも私の中では今でも実家は「ホーム」の1つに違いない。「いつまで甘えてんだよ!」と言われてもしょうがないけれど、今でも私は実家を「ホーム」と思えている事に違いはないからしょうがない。

子供たちは私の実家に戻るのが大好きだけれど、そこは子供達の「ホーム」ではないわけで。

いつの日か、その家も土地も誰か知らない人の「ホーム」になるのかもしれないと考えると、頭では分かっているけど全く現実味がでてこない。

不変な物質はない。

確かなのは繋がりだけ。

頭では分かっていても、いつか物質的な「ホーム」が無くなる事を考えると、なんともセンチメンタルになってしまいました。


シンガポールにも児童館のような場所を作りたい!という思いから育児支援コミュニティKidsPriorityCafeを発足し日本に帰国後も主催運営しています。頂きましたサポートは有り難く運営費に使わせて頂きます🙏また、コラボ希望も随時受け付け中!お気軽にご連絡ください😃