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70. キッチンArkadia 秋冬編
キッチンArkadia だなんて、なんだか下北にある親父さん二人でやってる洋食屋さんみたいね(確かあれはキッチンアラスカ)。
2020年クリスマスと年末はどうしてもここの新しいキッチンでがっつり料理がしたかった!ガス台とカウンターが出来ているだけで、収納も食器棚もまだ何もなく、どちらかというとまだ使い勝手は良くない。
でも、でも!元来食いしん坊。食いしん坊というよりも、作りたい、作ってみたいの塊。やりたいのです。
ここはメキシコ。私は日本人。日本人に馴染みのある食事も、ここには食材すらないことの方が多い。でもだからと言ってそこで私は諦めない。可能な限り、作る。作れないのであれば、諦める。それぐらいの勢い。なぜか。街(メキシコ第二の都市ですが)にある日本食レストランに食べに行って「ああ、大満足」となったことがないからだ。日本食だけではない。インド料理もタイ料理も、満足したことがないばかりか「金返せバカやろー」と言いたいぐらい。だったら作る。
クリスマスあたりにハマってしまい数回作ったのがレバーペースト。
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牛レバーとバター、クリーム、香辛料などをミキサーにかける。バターはケチらないこと。量にびっくりするが、ケチったり「ダイエット」とか小賢しいこというと美味しくない。人生一度限りだ。
クリスマスはオーブン初使用ということで、ギリシャ料理のムサカを作りたかった。ラザニアのナス版。私はミートソースもベシャメルも一から作る。ベシャメルに至っては、高校時代にバイトしていた実家近くのデリカテッセンで、フランス帰りのマスターから習ったもの。不味くなるはずがない。
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大晦日あたりはなんだかしっとり漬物で温かい焼酎お湯割りとか、ちょっと小料理屋さん風にやりたくて、数日前からつけておいた。ラディッシュの甘酢漬けと、べったら風大根漬け。ポテサラもね。焼酎は日本からちょっとだけ持ってきた黒麹無濾過の麦焼酎「釈雲麦」。いい感じで年越しできました。
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手作りソースの焼きそばもうちで時々やるメニュー。日本食材店に行けば売ってますよ、おたふくソース。でも高くてびっくり。調べてみたら、原材料は手軽に揃えることができるし、お安いじゃありませんか。なので、やってみたところ、うんうん、納得の出来栄え。リンゴジュースと醤油を中心に煮詰めて、あれこれ香辛料を加えていくと、時間はかかるけれど美味しいおいしい!!市販品と同じ値段で3−4倍の量ができる!
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中華のおやつだって食べたい時は作りますよ。熱々ごま団子、食べたいよね!うん!あんこ無い!そこからです。あずきは超高価なのでレンズ豆で。すぐに餡子できるし失敗もなし。白玉粉気分のタイ産米粉でお団子にして包み、白胡麻をつけて油多めのたこ焼き器でくるくる。これ、作るの楽しいし、おいしい。火傷に注意ね。
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アジア料理のこういうのもご飯に合うから大好き。玉ねぎと安安ソーセージ炒めたら、卵で絡めて最後にトマト入れて、火が通ったらお砂糖ちょっととナンプラーで味付け。最後に青ネギぱらっと。これ、最高においしいし、ご飯が進みすぎて困る。この写真も、中国製のプラスティック皿を使ってるからか、タイとか台湾とかの露天で食べてるみたいな感じ。だがしかし。クマ夫さん、これがどうしても食べられないと。トマトと卵の炒めたのがダメ、って。ほ〜〜〜〜
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ではクマ夫さんにはこちら。
小じゃがいもを茹でたら素揚げに。その間に、青唐辛子とパクチー、チキンブイヨン、塩胡椒、お湯大さじ2ぐらいをミキサーにかけ、ペースト状にしておく。素揚げができたら、そのペーストに絡めて出来上がり。爽やかな辛さがじゃがいもに合ってたまらんですよ。
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作業の合間に小腹を満たしたいクマ夫さんにはこれ。
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「この後の人生、これ一品だけしか食べられないとしたら?」に答えたのが「ハムサンド」。メキシコのサンドイッチはサブウェイスタイル。シンプルなパンにレタス、ハム、ハラペーニョ、あればチーズ。これさえあれば彼は幸せだって。
メキシコのこのあたりは丘というか山というか、そういう場所だらけ。Arkadia周辺も雑木林と丘に囲まれている。秋冬の4〜5ヶ月間、なんと長芋が採れる。親子何代にもわたって山に入っているおっちゃん親子はこの辺りを知り尽くしていて、週2回このあたりに来ては一日中山の中で長芋を掘っている。で、その二人から買った長芋のおいしいことおいしいこと。とろろにしても強いねばり、青のり混ぜた衣つけてあげるとほくほく。おいしいいいいいい
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この時期はまって何度も繰り返し作ったのが、ザクザク食感が美味しいオートミールクッキー。オートミールに何種類ものナッツやドライフルーツを混ぜて蜂蜜とちょっとのオイルでまとめて焼く。リンシードやチアシードは日本では高価なようだけど、メキシコでは安い。ナッツも安い。ありがたい。そして、原料を揃えればあとは簡単なので、安心しておいしいおやつができる。
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手軽な夕ご飯でよくやるのが、自宅ハンバーガー。
パティはひき肉にスパイスを混ぜて。野菜とチーズもたっぷり入れて。バンズは市販のだけれど、しっかりとしたもの(ちょっと高めのもの)を選べば食べ応えも十分。
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タイのグリーンカレーも、ペーストから自作。レモングラス、青唐辛子、パクチー、ニンニク、アレコレをミキサーでガーーーーー。初めて自分で作ったけど、なにこれおいしいじゃん、自分で作れるんだね!と、嬉しかったわね。ナスもあったのでチキンと一緒にグリーンカレー。時々無性に食べたくなるね、タイカレー。
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シュウマイは皮に包まずレタス千切りに包めば炭水化物なしで。この後に及んでダイエットだとか、笑っちゃうけど。たくさん作ってお肉の発泡スチロールトレーに並べて冷凍しておけば、すぐにおかずもう一品。
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タイ産米粉がなかなか使えるということで、あんこと一緒にぜんざいにしたり、みたらし団子にしたり。本物のみたらし団子じゃ無いけど、もうこれはみたらし団子。
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あれやこれやもおいしいけれど、でもやっぱり一番おいしいのはおにぎり。クマ夫さんも大好きおにぎりは、自家製塩じゃけとわかめと白胡麻。これも冷凍して小腹がすいた時の保存食に。と言いつつ、あればあるだけ食べたい39歳男児がいるので、見つからないように作って冷凍。
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こんな僻地で、どうやって買い物してるか?市場やスーパーでの大きな買い物は週に一回。その生活をがっちりサポートしてくれているのが冷凍庫。素材はこちらの冷凍庫にゴンゴン入れる。調理済み保存食などは冷蔵庫の上の冷凍庫に。食料倉庫もあれこれあるので、何かあっても私たちはおそらく2ヶ月、飢えることなく生きていけそう。
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