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約束のその日その時間きっちりに、ピックアップトラックでチャヨがやってきた。16歳の長男も乗せて。長男はおとっつぁんの跡を継ぎたいらしい。

前回見積もりの際、手順と必要な材料を知らせてくれていたのでこちらも用意はできている。

2階の荷物をまずは東側に全て移動させてから作業を行う。足場を組んでから始めたチャヨの作業、そのスピードに驚いた。

まず始めにブロックの表面に薄くセメントを下地として塗っていく。(一階の主寝室、寝室2、バスルームの壁を漆喰で塗ったのと同じ作業。漆喰よりも長持ちするそうだ)

これが速い速い。多分私がえっちらおっちら漆喰を塗っていた4−5倍のスピード、もしくはそれ以上の速さではなかろうか。もちろん、何十年もやってきた熟練のチャヨ。体も楽にできる、そして速く行える方法を体が知っているんだろう。息子氏も横でセメントを練る作業を手伝っているのでチャヨは天井、壁にそれを塗っていく作業に集中していられる。


 それにしてもこの人、随分朗らかで楽しそうに仕事をする。

 息子氏と二人、いろんなことぼちぼちと話しながら。うっさい音楽かけているわけでもなし。静かに、セメントを塗っていく音がシャッシャッと聞こえる。彼らが仕事をしているのが全く邪魔に感じない。こんな人、初めてだわ。おトイレ使う時も結局最後の日まで毎回「すいません、おトイレお借りします」って言ってたし。朝は必ず決まった時間に来るし、一日終えて帰る時はちゃんと道具片付けていくし(そうでない人たちしか知らないのでほんとに驚いた)。


 

こんなのだけでサッサかやって行く



仕事早い、そこそこ丁寧(きっちりかっちり、にしなくていい。ある程度ホワッとした感じでいいから、という発注)、仕事場綺麗、うるさくない、時間にちゃんとしてる、見積もり通りであーだーこーだ追加料金がない。

メキシコでこんな業者さん、いませんよ奥さん。

あっという間よぉ

ということで、予定していた作業箇所を拡大して、一階部分の残りも全てやってもらうことに。それと、外壁のちょっとだけ補修も。そのうち、他での仕事が片付いた私の逆ナン相手マルティンも参加。このほのぼの感はあれだね、家族揃ってそんな感じなんだね。ほのぼの、とはしながらものんびりじゃない。仕事はさっさとやる。テキパキやる。そんなメキシコ人初めてみましたよ。

スキッパの笑顔も可愛いマルティン

 仲良い親子の会話でも、ちゃんと息子氏はおとっつぁんのチャヨに敬語使ってるし、チャヨも彼に指導するときにはビシッと指導してるし。

 いるもんだね、中にはこういうメキシコ人職人さんも。

 

 ということで、本来なら私たちのノタノタ作業で数ヶ月かかりそうなところ、マルティンとチャヨとその息子氏であっという間に終わってしまった。

 ありがたい。

 その間私たちはあれこれ細々とした作業や、自分たちの小さな仕事を片付けて、2022年を迎えようとしていた。

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