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11月も半ばになり、日の登る場所もずいぶん南にうつりました。

 なんだかんだ言って週に平均7m(地中の基礎含めて高さは2.5m程度)の長さの石塀を作っているマヌエル。たった7mかもしれないが、全てこれを二人が手作業でやっていると考えるとすごいスピードと体力。私たちが2週間かけてたった数mの基礎部分だけしかできなかったことを考えると流石のマヌエルだ(そして腰を痛めたりもしていない)。

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 塀の中には3mおきにカスティージョをしこむ。4本の鉄棒を組んで支柱の骨となるカスティージョは地面に触れる部分を左右に開き足として固定、そこを空洞にするように石で囲む。また、カスティージョの頭の部分は外に30cmほど伸ばしておき、後日ここに設置する金網の支えとなる鉄パイプを入れていく。
 石とセメントを積み上げただけの塀ではなく、こうして間に支柱を入れることで強さが出る。

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 石塀作りもいよいよ佳境を迎える。
 道路に面した部分を進めていたマヌエルとクマ夫があれやこれやと頭を突き合わせて相談し、必要になる木材を買いに行く。木材?
 門扉を支える門柱を作るのに、セメントを流し込む型枠となる木材が必要となるのだ。セサールのトラックで家から10kmほど離れた材木屋さんに買いに行き、素人目には型枠にするにはもったいないような板などを買い込んできた。
電動ヤスリをかけてアレしてこれすれば、なんだか立派な家具が作れそうなのに、これをセメントまみれにしちゃうの?値段で言えば40cm幅3mの板が一枚800円ほどの激安。でもプロの目で見ると、途中に大きな節があるなどして加工には難しいのだとか。これは今後、二人でコツコツと家具やなんかを作る際の良い参考になる。ふむふむ、これぐらいの値段なのね。

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↑門柱はきちんと垂直。あかんのはマリオ設置の電柱の方


 私は私で、門扉の発注をしに、個人経営の鉄工所まで出向いていく。窓枠やドアをやってもらったところは結局仕事ぶりがいい加減だったのでもう2度と頼まない。うちから1kmほど西に上がったところに私たちと同時期に土地を買い、小さく簡素な別荘を立てていたカルロス先生の門扉を作ったところを教えてもらって発注に来ている。カルロス先生お墨付きの「キッチリかっちりやってくれるグスマン」は御多分に洩れず、時間もキッチリ、説明も料金も明朗で助かる。実は天窓を作る時に一度話に来ているのだが、その時彼は「仕事が詰まっていて期日までにはできない」としっかり伝えてきていたのだ。だから尚更信頼ができる。
 過度な装飾をしないシンプルな門扉(2m✖️4m歩行者用扉付き)を6万円ほどで作ってくれる。

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 そしてなんと、メキシコでこんなことが起こるとは思っていなかったのだが、約束の納期前に「できたよ」と連絡が来た。なんたることだ。でも製品を見てから出ないと褒めてはいけない。
 クマ夫さんがセサールと一緒に取りに行く。
 なんということだ、注文通りの出来だし、しかも期日前だし、メキシコでありがちな「〜〜が〜〜だったから料金上がっちゃった」っていう嘘っぱちもない。しっかりキッチリ、なんてことだ、グスマン。君が唯一、まともに世界と取引できる鉄工職人だよ。

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 さて。設置場所を深く掘り込み、太い鉄骨でサイズに合わせて作ったカスティージョを入れ、板を門柱のサイズに合わせて切り、ぎっちり針金で固定させる。そこに、小石多めのセメントミックスを上から流し込み数日待って乾かす。この作業をマヌエルは一人でやっていた。どこに行ったアンドレス。時々クマ夫が手を貸す程度だが、でも一人でやってのけている。

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 門柱はシンプルというかセメントそのまま。ここは後日あれこれ私たちでやりたいのでこれでいい。

 出来上がった門扉を、溶接ができるセサールにつけてもらう。

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↑セサール兄さんが作業しやすいようにクマ夫さんがあれこれ用意、サポート
 
 ちょっと感慨深い。
 これでうちが、Casa Arkadiaが、(ほぼ)安全に囲まれた。(ほぼってのはほら、家の裏手がまだアレでして、私がモニョモニョ設置した有刺鉄線だけでして)

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門扉の上も、何か面白いものつけたいからそのまま。

でもそれらしくはなったでしょ?

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内側から見てもさほど圧迫感はないね

石塀は完成したが、マヌエル、もうちょっと残ってやって欲しいことがあるんよ。


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