エンビプロHD(5698) ヒトと経営の洗練
エンビプロHDは "経営の洗練” に特徴ある企業だと捉えている。事業だけではなく、それを支える「ヒトと組織」に経営資源を適切に分配しており、企業の存在意義の言語化は見るたびに進化している。みさきの公理で言えばmの洗練。
・以下、画像引用元は全て同社公表IR資料より。
・マテリアリティの筋の良さ。電炉増設による鉄スクラップの需要増加、電化による非鉄金属・レアメタルの増加、廃プラスチックの高度な資源循環促進。加えて、経営活動の全てのプロセスで GX、DX の推進、そして就労形態の多様性推進と省人化、 無人化の促進。
ベース:グループ共通の企業理念の浸透
①ものを徹底的に分けて資源価値を高める独自の物理選別技術
②グローバルに流通網を持つことによる価格競争力含めた販売力
③国内外への販売を可能にする物流力
④環境経営コンサルティング会社を持ち、最新の動向を捉えた事業戦略の発想力
⑤それらを備えていることによる営業力
・企業は何の為?の徹底的な言語化。
引用元:2021 年 6 月期決算説明動画(書き起こし)
ここが、私が最も今これから力を入れたいところですが、この戦略を実現し、それから持続的に成長するためには、社員一同が生き生きと働く良質なエネルギーに満ちた「場」がなければならない。これは先ほど来から再三申し上げています。ただし、その前提条件としてはエンビプログループがやっている事業が、社会にものすごく役に立っているのだと、そういうことを社員の皆さんが実感できないと、給料が高いとか、そういうことだけではやっぱり生き生きと働くことができない
ので、その社会貢献度を一層上げていくこと、これがまず前提条件です。
それから、必要条件としては再三出てきますが、企業理念のもと、自主性・創造性の風土が醸成されている。やっぱり自主的、創造的な行動があって初めて多分生き生きすることで。人からいろいろと指図されて動くより、自ら動くほうがいいに決まっていますよね。
それから、ここが重要ですけど、待遇面で日本の企業全体の上位30%になっていきたいなと思っています。恐らくまだそこにはいっていなくて、40%か 45%か、そのぐらいのレベルにはいっているはずですが、早めにこの 30%の会社になる。
それから職場環境は非常に過酷なものがあります。これをきちっと改善していく。暑いとか、この 辺はなかなかちょっと難しいところが、屋外でやる仕事もありますので。従いまして改善しにくいものに関しましては、職場については ICT を使ったり、ロボットを使ったりして、省人化、無人 化、あるいは遠隔コントロール、こういうものを推進していく、これが必要条件だと思います。
何より、この十分条件でございますが、やはり仕事を通じて自分自身の成長を実感できる、これが非常に重要だと思います。そして、このエンビプログループにいて成長して、よその会社に転職する、私はそれでもいいと思っています。逆もありますしね。ただし、そういう人たちが、このエンビプログループにいたいと思っていただくのは、やっぱり仕事の内容を含めて、グループ全体の雰囲気をきちっと整えていく、それは私の責任だと思っています。
それから、会社の成長と社会への貢献度が同期していることを実感できる。一生懸命仕事をして会社が大きくなる、利益を出す、それがそのまま社会への貢献と一直線でつながっているのだと。一直線じゃなくても間接的につながっていくのだと、そういうことが実感できないと、特に若い人たちはそういう意識が高いので、そんなことが十分条件の一つだと思います。
それから、多様な人、また多様な働きが容認されて、各人が尊重されていることを実感できる、これも非常に重要な条件だと思っています。それら三つの戦略、ガバナンス、それから生き生きとした職場、それらを実現するには創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団、ちょっと間延びした表現になっていますけど。創発的能力、指示、命令を受けなくても、現場現場で、自分で考えて行動していく。それを創発的能力と呼んでいますが、そういう人たちで自らを律している。自由に動くんですけれども、集団としては一定の規律度を保っている。創発的能力を備えた自律した個人の規律ある集団、こういう集団をつくれば、今、私が申し上げたことが実現できますし、今、申し上げたことを実現していきながら、こういう集団を作っていく。行ったり来たりしながら、いい組織をつくり、良質なエネルギーに満ちた場をつくっていくことが私自身の最も重要視したいものであります。
IRの方に、「御社の強みは経営の洗練にあると感じますが、どなたがリーダーシップを取られているのでしょうか(或いはボトムアップ)?また、このような取り組みを促す社内的な仕組みが何かあるのでしょうか?」と聞いたところ、「リーダーシップはホールディングス社長が取っている。オーナー企業でありながら取締役に社外取締役を半数以上入れるなど、組織的経営が図られている。また、細部にまで企業理念を浸透させる取り組みも継続的に行っている」といった回答があった。
事業×「ヒト」「経営」の洗練。ここからの同社の更なる飛躍に期待したい。