ビートレンド(4020) 雑メモ
同社についてはこれまで簡単に整理してきたのだが、上位Tierに食い込める可能性がある企業として、このタイミングでnoteに再整理してみたい(Twitterだと情報が流れてしまい、脳内にイメージが定着しないので....)。
画像引用元:全て同社IR資料
1. 投資アイディアのBig Picture
・Withコロナ環境で経営体力を蓄積し、afterコロナ環境でもプレゼンスを拡大し続けるであろう小売企業(主にはスーパー、ドラッグストア、アパレル)の目線が次に向かう先はCRM。顧客をどう獲得し、管理し、育成し、維持していくのか?
・バリュエーション切り上がりの道筋は、①SaaS企業としての認知、②エコノミクスの緩やかな良化。②エコノミクス良化はブレークダウンすると幾つか要素があり、(1)ユーザー増からのエコノミクス良化、(2)プラットフォーム内製化完了によるエコノミクス良化、(3)ニーズ顕在化×同社競争障壁ゆえの投下マーケティングコストの少なさによるエコノミクス良化(ニーズが顕在化している+同社に供給面からの障壁があることから、顧客に過度に働きかける必要がない)。
2. 同社概況
・スマート CRM プラットフォーム『betrend』について
スマートフォン・携帯電話を活用し、企業が顧客へ情報配信可能なスマートCRM システム。スマートフォンアプリのプッシュ通知やメール、ハガキ DM、LINE などのマルチコンタクトチャネルを有し、最適な情報配信手段を利用可能。また、利用金額・ポイント・来店などの行動履歴を分析・活用し、お客様にあわせた効率的なマーケティング施策を支援。飲食・小売・サービス業を中心に幅広い業種・業態での導入実績。
・ARRが伸びているSaaS(スマートCRMサービス新規導入11社、4‐6月の新規導入7社)
・プラットフォーム内製化完了後はマージン↑(①SaaS特性でのマージン↑に加えもう一つエンジン)。内製化は来年度前半を目途に完了見込み
・ワンストップサービスをローコストで提供可能、メールマーケ事業者としての蓄積ノウハウあり
3. リサーチで認識した同社の競争障壁
・把握する限り、同社と同様のサービスを提供している上場企業はない(単独の機能またはサービスを提供する会社は数社ある)。同社の場合、機能及びサービス、データベースを標準機能として用意しているため、ワンストップかつデータベース構築のための投資や構築をなしに利用可能。
・単独の機能やサービスを提供している企業の場合、同社と同等のサービスを提供しようとする際には、自社にないサービスを他社より導入し、データベース等のシステム投資及び構築をし、スクラッチで開発しなければならない。
・同社はメールマーケティングの配信事業者として長年に亘り技術的な経験を重ねてきた。その構築及び運用においては、単に設備を構築し運用をすることだけではなく、日本の通信事情や端末事情、セキュリティなどに応じた対策を行う必要がある。この対策の積み重ねがノウハウとして蓄積し、運用力として他社との差別化になっている。
・長年培ってきたデータベース構築のノウハウと、強固なセキュリティ対策、様々な要望に対応するカスタマイズ仕様等、これらを低価格で提供できることが競争優位性に繋がっている。
4. 業績や株価カタリストとしてのLINEミニアプリ
実際に試してみたが、本当に5秒ぐらいでできて驚く。会員証やポイントカードは作るのも持ち歩くのも管理するのもとにかく面倒臭い...この辺りの企業/ユーザー双方が感じる問題を一網打尽的に解決できる可能性。
5. ヒトと経営の洗練
・IR照会メールを送付したのは8月半ば、翌営業日に早速返信あり。この時価総額帯の企業には珍しいと驚いた。企業側にもリソース制約があるのでむやみに要求するものではないが、「価値と価格のギャップ解消意欲」は適切な株価形成に重要だと思うので、できれば翌営業日には回答欲しいところ。
・以下は同社が参加するセミナー資料からの引用だが、取締役の平川氏はじめ魅力的なメンバーがいる。同社の"ヒト”については観察を続けてもう少し深掘りしたい。
引用元:https://www.betrend.com/seminar2021-2/
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