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【5分で経営学】純顧客満足って?価値は消費者の状況によって変化する
仕事の前や休憩中に、5分程でさらっと読める経営学のアレコレ記事です。経営学を専門的に学んだことのないプロ社会人だからこそ気づける経営学の面白さや便利さがあると信じてます。なるべく現場で使える考え方や知識を中心に紹介していくつもりだから、よかったら参考にしてみて下さい。
これから貴重な5分を使って、ターゲット層を選定したり、リサーチを念入りに行って自社のモノやサービスを設計しても、消費者側の状況がそのモノやサービスの価値を変化させることがある、ってことを頭に入れておこうっていう提案をしたい。
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お金で買えるもので、疲れた時に自分に与えるちょっとしたご褒美を思い浮かべてほしい。例えば僕はそれがビールなんだけど、なんでもいい。炭酸飲料やスイーツなど、回復するために必要な、あまり高価ではないご褒美。
それって、いつも「同じ」価値のものだと感じますか?
最寄りのコンビニで225円のビールを、少し遠いスーパーで199円で購入
大雨だったので、スーパーに行くのをあきらめ、最寄りのコンビニで225円のビールを購入
クーポンをもらったので、普段買わない銘柄のビールを購入
こんな状況の場合、僕らは価格以外にも
少し遠いスーパーに行くという労力
スーパーに行くのをあきらめるという労力
普段飲まないビールを飲むという労力
これらの「労力」が必要で、こういったものを経営学では「顧客コスト」と称している。全部で4つあり、それらを合計したものを「総顧客コスト」としている。
【4つの顧客コスト】
金銭コスト:商品価格、維持費、配送費、輸送費など
時間コスト:入手するまでの時間、使用に慣れるまで必要な時間など
労力コスト:購入手続き、運ぶ労力、探すのにかかる労力など
心理コスト:初めて利用することの不安感、支出に関するストレスなど
これに対し、元々の商品を純粋にお客さんが「欲しい」と思った時の期待を「顧客価値」だとしていて、これにも4つの価値があり、それらを合計したものを「総顧客価値」としている。
【4つの顧客価値】
商品価値:商品に対する信頼、機能、デザイン、希少性など
サービス価値:メンテナンスやアフターサービスなど
従業員価値:従業員の接客態度やフォローの仕方など
イメージ価値:企業のイメージ、ブランド、商品の社会的価値など
お客さんが商品を購入する時は、
「総顧客価値(4つの価値の総合)ー総顧客コスト(4つのコストの総合)」で計算された「純顧客価値」を意識する必要がある。
僕も接客業の経験があって、その時「何もこんな日に買いに来んでも……」って日に来てくれるお客さんがいた。その人にとって必需品だったのか、その日にしか買いに来れなかったのかはわからないけど、そんな大変な思いして買ったもので、がっかりされると申し訳なくなっちゃう。
買うお客さんも「コスト」を払っているということ、意識できるようになりたい。
編集後記
僕にとってビールの価値はこんな感じで変化します。
・何でもない普通の日でも美味しい。
・ちょっとのどが渇いたらなお美味しい。
・残業があった日のビールはそりゃ美味しい。
・居酒屋で飲むとつまみとの相性最高で美味しい。
・ライブで暴れた後なんて言葉にならない位美味しい。
ちょっと上手く書けたと思ってふふってなりました。僕、小説家の京極夏彦さんが大好きなんですけど、京極先生が実にいいところでこういう文字数遊び?を仕込んでくるんですよね。でも、考えるの大変でした。やってみると、推しへの尊敬の念が増しますね。どうやって書くんだろう、あんな分厚い本ばかり……。
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