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電視観望・天体写真撮影システムの機材選び⑤~その他機材編


■Wi-Fi制御コンピューター

電視観望システムの肝になるのがASIAIRです。
中身はボードコンピューターのRaspberryPieが入っています。

・ZWO ASIAIR Mini

本体重量206g 30,500円

ASIAIR Mini

ASIAIR Miniは4世代目の機種でより小型軽量化した低価格版です。たばこサイズです。
PLUSがUSB端子4つの内2つがUSB3.0でしたが、MiniはUSBが全て2.0になっています。PLUSにあったイーサネット端子も省略されています。

・ZWO ASIAIR Plus

本体重量330g 45,900円

ASIAIR PLUS-256G

Miniより一回り大きいです。
現行機種のPLUSはASIAIRの3世代目で、そのPLUSのさらにマイナーチェンジで内蔵eMMCの容量が256GBに増えています。SDカードスロットが無くなり、PCとはUSB-C端子経由でeMMCのデータをやり取りします。
内蔵eMMCにシステムファイルとダーク、フラット、バイアス画像を保存して、ライト画像をUSB3.0端子にスティック型SSDを挿して、そこに保存するといいです。
Miniと比較するとカメラが高画素機種なら転送速度の速いUSB3.0を持つPLUSがいいでしょう。
又、古い赤道儀はイーサネット経由での接続する必要があるので、そういう赤道儀をお使いの場合はPLUSの選択になります。

■オートガイダー

長時間撮影を行う場合はオートガイドシステムは必須です。短時間電視観望では無くても大丈夫です。

◆オートガイダー用モノクロカメラ

オートガイダー用のカメラでASIAIRで使える代表的2機種です。

・ZWO ASI120MM-Mini
 1/3型 122万画素(1280×960) 
本体重量60g 22,900円

ASI120MM Mini

最初はASI120MM-Miniでいいでしょう。
安価でガイドシステムが組めます。

・ZWO ASI220MM-Mini 1/1.8型 200万画素(1920×1080)
本体重量60g 38,200円

ASI220MM Mini

ガイド精度に不満が感じたらASI220MM-Miniにステップアップしてもいいでしょう。

◆オートガイダー用鏡筒

・SVBONY SV165 ファインダースコープ(D30mmFL120mmF4) 本体重量0.342Kg 5,600円

SV165(D30mm)

SVBONYのSV165は同じ型番で口径30mmと40mmのものがあります。ガイドスコープは安価なSV165の30mm口径でも大丈夫です。

・SVBONY SV165 ファインダースコープ(D40mmFL160mmF4) 本体重量0.45Kg 8,800円

SV165(D40mm)

主鏡が長焦点距離の場合は口径の大きなSV165の40mmにしましょう。

・ZWO 30F4ミニスコープ (D30mmFL120mmF4)
本体重量500g 13,800円

30F4ミニスコープ

ZWZOのオートガイドカメラと相性バッチリです。

◆オフオアキシスガイダー

ガイド鏡を使わずにメインの鏡筒のイメージサークル外の光をガイドカメラに分光する装置です。特にカセグレン式など焦点距離の長い鏡筒などガイド鏡と画角が大きく異なる場合に使われます。

・ZWO OAG(Off-AxisGuider)
光路長16.5mm 21,800円

OGA

ガイド鏡を使わずオフアキシスガイダーを使うと、ガイド鏡を使わないで済みます。位置調整はやや面倒です。ヘリカルフォーカサーを間に挟むとガイドカメラのピント合わせが楽になります。
ZWOのカメラはバックフォーカスが55mmで鏡筒後端のM48のネジからカメラのM42アダプタリングのネジまでが37.5mmの光路長になります(そこからカメラのセンサー面まで17.5mm)が、このOAGは光路長16.5mmでその後ろにZWOのEFWかSVBONYのフィルタードロワー(光路長21mm)をつなげるとピッタリ37.5mmになります。(ちなみにZWOの冷却式カメラには光路長16.5mmと21mmのリングが付属しています。)

・ZWO OAG-L Off-Axis Guider-L(オフアキシスガイダーL) 光路長16.5mm
33,900円

OAG-L

フルサイズや中判カメラ用のオフアキシスガイダーです。ヘリカルフォーカサーと一体型です。

◆ヘリカルフォーカサー

微妙なピント合わせなどをヘリコイド式で光路長を調整する機材です。

・ZWO 1.25"ヘリカルフォーカサー  10,100円

ヘリカルフォーカサー

リング回転させて光路長(ピント)を調整する機材。
オフアキシスガイダーとガイドカメラの間に入れるとピント調整が楽になります。

・SVBONY SV161ダブルヘリカルフォーカサー 4,780円

SV161ダブルヘリカルフォーカサー

ZWO製のヘリカルフォーカサーと同じ働きがあります。
両端はM42ネジ径になっています。普通にガイド鏡とガイドカメラの間に入れてもピント合わせが便利になります。
私はSV165(口径40mm)のガイド鏡のピントネジを一番縮めて、M42径3mm厚リングを挟んで、このSV161を付けて、その後ろに、ガイドカメラのASI120MMminiをノーズピースを外して奥まで突っ込んでいます。そうするとこのダブルヘリカルフォーカサーだけでピント合わせが出来るようになります。

■フォーカサー

鏡筒のピント合わせの機材です。
特にASIAIRから詳細にピント合わせを自動的に行えるのがオートフォーカサーのEAFです。

・ZWO EAF 標準セット

 25,400円

EAF標準セット

SkyWatcher、Askar、SharpStar、WilliamOptics、SVBONYなど中華系鏡筒ではヘリコイド式フォーカス機種などの一部を除いて付属のプレートで取付可能です。
日本のメーカーのタカハシやビクセンなどは別途専用プレートが必要になります。
EAFを取り付けるとピントリングが重くて手動では回らなくなります。

・ZWO EAFアドバンスセット

 33,900円

EAFアドバンスセット

標準セットに温度センサーとハンドコントローラーが付属します。詳しくは下記を参照。

・ZWO EAF用温度センサー

1,700円

EAF用温度センサー

ASIAIRでは温度変化による再度ピント合わせをするように設定できます。

・ZWO EAF用ハンドコントローラー

6,800円

EAF用ハンドコントローラー

EAFで手動ピント合わせは出来なくなるので、ハンドコントローラーがあればASIAIRなくてもピント合わせできます。

・天体望遠鏡用バーティノフマスク

 金属製 外径63~89mm 1,491円

バーティノフマスク

6本の光芒を使って手動ピント合わせするアイテム。

■フィルター関連

◆フィルタードロワー

鏡筒とカメラの間に接続して素早くフィルター交換出来る機材です。

・ZWO フィルタードロワーM42II
(ASIカメラ全般用)
光路長21mm  13,500円

ZWOフィルタードロワーM42II

ZWO純正のフィルタードロワーです。光路長がカメラ側リングと同じ長さなので、入れ替えることができます。

・SVBONY SV226 フィルタードロワー
(M42-M48変換リング付き) 光路長21mm 6,980円

SV226

2インチ(48mm)フィルター用スレーブが2個付属していて、その内1つは1.25インチ(31.7mm)フィルターアダプターも付いているかなりお買い得なドロワーです。
こちらも光路長が21mmなので、ZWOのカメラ側リングと入れ替えできます。

◆フィルターホイール

鏡筒とカメラの間に接続して複数のフィルターを入れ替えられる機材です。電動式のEFWはASIAIRから制御出来ます。

・ZWO EFW 5x2"(2"フィルター・5枚用電動フィルターホイール)光路長20mm 、重量500g 50.8mm-M48P0.75
51,000円

EFW 5x2"

2"(M48)フィルターもしくはφ50mm枠無しフィルターを5枚収納出来ます。LRGBフィルターセットなどに便利です。

・ZWO EFW 7×2"(2"フィルター・7枚用電動フィルターホイール)光路長20mm 、重量650g 50.8mm-M48P0.75
68,000円

EFW (7×2")の内部

2"(M48)フィルターもしくはφ50mm枠無しフィルターを7枚収納出来ます。LRGBフィルターセットとAOHフィルターセットが同時に使えます。

・ZWO EFW mini (31.7mmフィルター5枚用電動フィルターホイール) 光路長20mm 、重量312g 両側M42P0.75
33,900円

EFW miniの内部

31.7mm用(M28.5、P0.6)枠付きフィルター(但しフィルター枠高7mm以下、ネジ部高3mm以下)やφ31mm円形枠なしフィルターが使用可能。カメラが3/4以下のサイズなら1.25インチフィルターが使えます。ZWOのNew LRGB フィルターセット 1.25"などに使うといいでしょう。

・ZWO EFW-8 (31.7mmフィルター8枚用電動フィルターホイール) 光路長20mm、重量400g 両側M42P0.75
51,000円

EFW-8の内部

M28.6ネジ込み(※フィルター枠高さ7mmまで)またはφ31mmフィルターが最大8枚まで使用可能。LRGBセットとAOHセットが同時に使えます。

◆マルチナローバンドフィルター

複数の帯域の光だけを通すフィルターです。
光害の光をかなりカットできます。

サイトロンジャパン QuadBPⅢ
 20,900円

QuadBPⅢフィルター

マルチナローバンドフィルターの定番です。
光害の激しい市街地で威力を発揮します。
背景が減光します。星雲に特に効果が有ります。
またアクロマート鏡筒の色消しにも使えます。

・サイトロンジャパン DualBP
 18,800円

DaulBPフィルター

QBPよりさらに狭い帯域だけ通すので、かなり減光します。赤い星雲にかなり効果が有ります。

・サイトロンジャパン CometBP
 20,900円

CometBPフィルター

彗星撮影用でQBPより多くの帯域を通します。
一部色がおかしくなる場合もありますが、CBPが合う天体ではカラフルな画像が得られます。また光害の少ない撮影地でも有効なことがあります。

・SVBONY SV220 デュアルナローバンドフィルター
 2インチ 17,176円

SV220

SVBONYの2帯域のナローバンドフィルター。
DBPと同様の効果があります。

・SVBONY SV240 マルチバンドパスフィルター
 2インチ 23,580円


SV240

SVBONYの4帯域のナローバンドフィルター。
QBPと同等の効果があります。

◆シングルナローバンドフィルター

特定の帯域の光だけを通すフィルターです。
主にモノクロ撮影に使用します。

・ZWO New LRGB フィルターセット 2"(M48mm)
 51,000円

48mmLRGBフィルターセット

APS-C以上のセンサーサイズのカメラ用のLRGBのモノクロ撮影用フィルターセット

・ZWO New LRGB フィルターセット 1.25"
 25,199円

1.25インチLRGBフィルターセット

こちらは3/4サイズ以下のセンサーのカメラに使用するLRGBのモノクロ撮影用フィルターセット

◆光害カットフルター

光害になる街明りをカットするフィルターです。
現在ではLED街灯の普及で効果はやや薄いです。

・SVBONY CLSフィルター
 (2.0インチ)5,980円 (1.25インチ)3,744円

CLSフィルター

光害カットフィルターとして定番です。
光害地ではそこそこの効果があります。

・SVBONY フィルター UV IR カットブロックフィルター
 (2.0インチ)2,760円 (1.25インチ)2,235円

UV/IRカットフィルター

可視光域外の紫外域や赤外域の余分な光をカットするフィルター。カメラの機種によっては、変な色かぶりをするときに使うとよい。

◆その他フィルター

特殊用途のフィルターです。

・SVBONY SV164ダークフレームイメージングフィルター
 (2.0インチ)1,980円 (1.25インチ)1,780円

SV164

ドロワーやEFWなどで使うとしっかりダーク画像が撮影できる。

・SVBONY SV229 ソーラーフィルター 
 80mm-118mm 3,980円

SV229

太陽を撮影するときに必要なフィルター。鏡筒前面に取り付けて使用する。

■延長リング

カメラのバックフォーカスを合わせる時に必要になります。また、眼視観望でもアイピースを接続する時に使います。

・ZWO T2-EXT-21 M42-M42エクステンダーリング
 光路長21mm 3,100円

ZWO T2-EXT-21

ZWOの冷却カメラに付属しているリング。非冷却カメラではこのリングが別途必要。

・ZWO T2-M48-16.5 M42-M48エクステンダーリング
 光路長16.5mm 3,100円

ZWO T2-M48-16.5

ZWOの冷却カメラに付属しているリング。非冷却カメラではこのリングが別途必要。

・SVBONY SV109延長チューブ 24-35mm可変 M42径
 3,180円

SV109

24~35mmと長さが可変なリング。カメラのバックフォーカスを確保するときにあると便利なアイテム。

・SVBONY SV119 天文望遠鏡延長筒セット
(5mm 10mm 15mm 30mm M48x0.75) 4,280円

SV119

M48のリングセット。2インチドローチューブの鏡筒で光路長を調節するときに必要。

・エクステンションチューブ 8PCS /セット
(3/5/7/10/15/20/30mmM42x0.75) 2,637円

こちらはアマゾンで販売されているM42P0.75のリング8本セット。ちょっと光路長が足りない場合などにあると便利です。

■大気分散補正プリズム

大口径鏡筒での惑星撮影に必需品。

・ZWO ADC 1.25"大気分散補正プリズム
 21,800円

ZWO ADC

・SVBONY SV199 大気分散補正プリズム 1.25インチ
 21,880円

SV199

■コリメーター

反射望遠鏡の光軸を合わせるときに使う道具
光軸狂いやすい反射望遠鏡オーナーには必須アイテムです。

・SVBONY SV121コリメーター
 5,980円

SV121

レザーを使って合わせるレーザーコリメーターです。

・SVBONY SV197コリメーションアイピース
 φ31.7mm 4,480円

SV197

こちらはアイピース型の覗いて合わせるタイプです。
他に2千円台のものからアマゾンで販売されています。

■レンズヒーター

望遠鏡のレンズの曇り止めなどの夜露対策に必要になります。

・SVBONY SV192  レンズヒーター
 480mm 5.5x2.1メスDCアダプター端子 2,704円

SV192

ASIAIRの電源ポートやポータブル電源の12V端子から直接電源を取るタイプ。
ASIAIRのUSB端子では電力不足になることが多いので別途電源ポートから電源を供給するといい。

・SVBONY SV172  レンズヒーター
 加熱部分430mm USB式 2,704円

SV172

USB端子から電源供給するタイプだが、ASIAIRから電源取ると電力不足になるので、別途大容量モバイルバッテリーなどから電源供給するといい。

・NEEWER USBレンズヒーター 500mm
 2,449円

NEEWERレンズヒーター500mm

長いので、大きな口径の鏡筒に向く。

■ポータブル電源

電視観望・天体写真撮影システムを稼働させるために必須の機材です。

BLUETTI EA3B 268WA/600W 
本体重量4.6Kg 23,800円

私が使っているポータブル電源です。おすすめです!
ASIAIRにたくさん附属している12VDC端子ケーブルが直接挿せるポータブル電源が便利なのですが、このEA3Bは12VDC端子(5.5x2.1オス)が2つも付いていて合計10Aまで使用可能。ASIAIRと赤道儀の電源を分けて使えます。
もちろんスマホを充電しながら使えます。
電視観望システムで一晩使っても容量は半分ぐらい残っています。ライトも付いているので観望地の暗闇中の片付けとかで便利です。
Bluetooth経由でスマホで充電状況や残量表示、各出力先のON/OFFとかできます。


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