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ネットの声とは?何処にいらっしゃる方のこと?
自分が「ネット」というのを始めたのはまだ10代の頃・・・
その時はまだ黒電話でダイアル式。
電話をかけて、相手から「ピーヒャララララ」という音が聞こえたら
受話器を音声カプラという機械に押し付ける方式でした。
接続先もインターネットではなく草の根ネットという閉じた世界。
それこそ井戸端会議の際たるものでした。
そこでの書き込みは本当に狭い範囲のもので、使用者の嗜好中心・・・テック系やアニメの話題が主でした。
ましてや、その書き込みが外部でニュースになるなどありえない時代でした。
時は流れ、ネットといえば「インターネット」を指すものとなりました。
ニフティもアスキーネットも日経MIXも過去のもの。
ましてや草の根ネットなんて…
携帯電話でネットをやるのも一般的です。
携帯というか今ではスマホだけど…
余談ですが、マスコミが女子高生が携帯電話で「絵文字」(今の😄ではなくて^o^みたいなやつ)を発明した!と、もてはやしててましたが、あの文化は草の根ネットから始まったんだい!と憤慨した記憶があります。
で、本題に戻るのですが、冒頭に引用した通り、サザエさんで花沢さんを演じた山本圭子さんがお亡くなりになったというネット記事についてなんです。
ところが、そんな山本さんの訃報を聞き、ネット上では追悼に加えて「あんなことを言ってごめんなさい」という、悔恨の声が至るところで聞こえているという。
まあ、たいていそう言うネット記事ってまあ、目くじらたてるなよ、というクラスの媒体のものなんですが(この記事も含めて(笑))
ちよっとこの記事は「うぬぬ」と感じてしまいました。
「あんなこと言ってごめんなさい」って言うのは、花沢さんの声がかなり弱々しくなっていた時非難していたネット勢がいて、その人たちが声優の山本さんが亡くなって、病気って知らなくて非難してごめんなさいと言ってるとのことなのです。
ほんとにそんな声があったのか。
至る所?…
自分もサザエさん毎週見ていたわけではないし、声優業界に詳しいわけではないのですが、それでもサザエさんの声優が次々鬼籍に入られていたし、花沢さん役の声優もかなりご高齢でしたので、声がきついんだろうなあ、と思っておりました。
こういう記事でいう「ネットの声」ってほぼtwitter(現X)のことだと思い、検索してみたんですが、結局花沢さんの声が苦しくなっていた時非難するようなものは見つけられませんでしたし、ましてや亡くなられた今、追悼するメッセージはたくさん見ましたけどごめんなさいなどというメッセージは見つけられませんでした。
まあ、前述した通りこういう記事の書き方、ネットではまあよくありふれたものです。
ネットの声は、とかネット民はこう言ってると。
この前の都知事選も凄かったですからね。
昔、「世間では」とか「関係者の話では」というのが今「ネット民の声」に変わっているだけでしょう。
そして、書いている方もこの方が説得力が増す、と今も昔も思っているからでしょう。
よく見ると文末が、「至る所で聞こえているという」」と伝聞形式になっていて、自分が実際に見聞きしたわけじゃないんですよ、とここでも予防線を張っている。
うまいなーと思ってしまいました。
今回、そういう書き方を非難したいわけではなくて(回りくどいな)、日本人ってそういう仮託をして書くのがが大好きなんじゃないかと思った次第。(仮託、というのはちょっと違うとは思うけど)
女のすなる日記と言うものを男もしてみんとて--と紀貫之が今で言う「ネカマ」をし始めてから幾年月、
これからもネット記事には「ネットでは〜」「ネット民は〜」が溢れかえっていくのでしよう。
と、「ネット民は嘆き、憂いているようです」