早まるな? 遅れるな? 〜AKIの透析タイミング〜
波が寄せては返すように,あたらしい知見が発表されてしばらくすると逆の知見が発表されるのが世の常。今日はそんなお話。
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なんらかの事情で急性に腎臓が障害されることがある。いわゆる急性腎障害( AKI ; acute kidney injury )というやつだ。そんな状態を目の当たりにしたとき,どんなタイミングで腎代替療法を導入しますか?
直感に疑問を持つ
腎機能が悪いのであれば透析をすればいい。直感的にはそう思う。そうと決まれば,透析のために Vasscular Access (通称:バスキャス)を入れなきゃ!そのためにエコーや穿刺キットも用意しなきゃ!ME さんにも連絡しなきゃ!
いやいや,ちょっとまって。
もしかしてそこまで必要ないかもしれませんよ?結果的に透析が不要なケースも多々ある。そうであれば,わざわざ大血管にぶっといカテーテルを刺すような侵襲的な処置はしないほうがいいに決まってる。
本能 vs 理性 の調査
とはいえ,どうせ透析することになるんだ!透析まわしてた方が安心だ!という本能的直感も抑えがたい。そこで、ガマンできずに早期の腎代替療法( RRT )を導入した群と,待て!と待機的に RRT を導入した群(具体的には,透析せざるを得ない適応条件に当てはまってから初めて開始する群)を比較した試験がいくつか実施された。いわば,本能 vs 理性のガチンコバトルだ。
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