警察に証拠提供を求められたら
病院にはいろいろなヒトが患者さんとなってやってくる。
病気や自分の不注意で怪我をしたヒト,動物に噛まれたヒト,交通事故にあったヒト…
なかには刑事事件の被疑者になってしまった患者さんを診ることもあります。
たとえば交通事故で意識障害の鑑別のために採取した血中エタノール濃度。後にこれを「飲酒運転の証拠」として提出を求められることがあるかも知れません。他害事例などでは,血中薬物濃度や尿中薬物検査など標的にされます。
今回は自分の担当した患者さんが刑事事件の被疑者となり,警察から証拠提出の協力要請があったらどうするかを紹介します。
安易に情報提供してはいけない
医療情報は極めてプライバシー性の高い情報です。ときには本人にとって極めて不利な証拠となることがあります。医師の守秘義務については刑法で次のように規定されています。
刑法 第134条(秘密漏示罪)
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
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