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加熱調理入門① 火力について

こんにちはライターの高木です。今回はレシピで火力の表現としてよく使われる強火、中火、弱火、とろ火について解説するとともに、家に設置している2つのコンロの火力を調べて火力の表現の実践的理解をし、効率的な加熱調理方法について考えました。

この記事を読むと
強火、中火、弱火、弱火について理解できる→目次の火力の種類について
コンロの特性に合わせた加熱調理ができるようになる→最初から読む

この記事を書いている私は大学の管理栄養士養成課程を卒業し、社会人をやっています。自己紹介↓

火力の種類について

料理に使われる火力の表現は強火、中火、弱火、とろ火の4種類が存在します。表1にもある通り、火力の定義は火が調理器具の底にあたる具合で区別されます。つまり、底の表面積が広い調理器具ほど強い火力が要求されます。ただし、火が調理器具の底よりもはみ出て加熱する場合はガスの無駄使いとなるため強火にする場合は調理器具の底全体に当たる程度まで火力を調節しましょう。

表1 火力の種類

鍋を例にしていますが調理器具に関してはフライパンでもやかんでも構いません。

参考↓

コンロの火力を調査する目的

料理において加熱は美味しさを決める操作の一つです。特に火力を重要視されるチャーハンや青菜炒めなどの中華料理、鶏肉の皮をこんがりきつね色に焼く時など、焼き料理においては適切な火力を理解することは重要です。そこで私はこれらの料理を上手に調理するために火力についてのコンロの火力の調査を行いました。

コンロの火力の調査方法

右と左のコンロのつまみを図1の全開、半開、とろ火1、とろ火2のように適当なメモリまでひねり、以下の2つの方法からコンロの火力を調査しました。

図1 コンロのメモリ

方法1 火の大きさを調べる
全開、半開、とろび1、とろ火2の火の大きさを観察し、評価しました。

方法2 水の沸騰時間からコンロの火力を評価する
全開、半開、とろび1、とろ火2の火力を用いてやかんに入った1Lの水を沸騰させるまでの時間を計測しました。

使用器具
・やかん
・温度計
・タイマー

方法
1.やかんに水1Lを加える。
2.初期温度を温度計で測る。
3.やかんをコンロに置き、つまみを適当な位置までひねり、点火する。点火と同時にストップウォッチで時間を計測する。
4.やかんの水の温度が沸騰または温度変化が止まったら火を消し、その時の時間と温度を記録する。

計測はそれぞれ3回行い、平均とばらつきを求めました。

結果

結果1 火の大きさを調べる
左側のコンロは右側のコンロと比べて火力が強いことが全開の火の大きさを比べるとわかります (図2,3)。左側のコンロは火力調整が難しく、全開と半開の火の大きさがほぼ同じで、とろ火2では火が消えかけています (図2)。
右側のコンロはとろ火2でも火がしっかりとついており火力の細かい調節ができていることがわかります (図3)。

図2 左側コンロの火力

図3 右側のコンロの火力

結果2 水の沸騰時間からコンロの火力を評価する
左と右のコンロで水が最高温度に到達するまでの時間の結果を表1,2に示しました。過熱による水の温度変化は小数点以下は切り捨てて表示しています。
最高温度に到達するまでの時間は3回の計測の平均とそのばらつきを±で表示しています。

方法1で火の大きさが同じに見えても全開と半開では沸騰までの時間に差が見られました。左側と右側のコンロの沸騰までの時間を比較すると、全開、半開、とろ火1では左側のコンロのほうが沸騰までの時間が短く、とろ火2では右側のコンロのほうが最高温度が高く、最高温度に到達するまでの時間が短い傾向にありました。
右側のコンロの全開は左側のコンロの半開に近い火力であることがわかりました。

表2 左側のコンロで水が最高温度に到達するまでの時間 (分:秒)

表3 左側のコンロで水が最高温度に到達するまでの時間 (分:秒)

コンロの火力調査の生データはこちらから閲覧できます↓

考察

結果1の火の大きさを見ると左側のコンロは4~5人分のフライパンの大きさ(幅28㎝)の調理器具までならば、強火の火力として加熱調理が可能ですが、右側のコンロは今回用いた、やかん(幅17㎝)でも中火程度の火力しか加熱できませんでした。強火を使うタイミングとしては、フライパンを最初に温めるとき、麺をゆでたりお茶を沸かすためにお湯を作る時に使うため、左側のコンロは高温で短時間調理するときに向いていることがわかりました。
また、右側のコンロは弱火~とろ火の火力のコントロールがしやすいためじっくり時間をかけて、味をしみ込ませるような煮込み料理に向いていることがわかりました。
以上のことから、右コンロでスープや煮物などの煮込み料理を仕込み、煮込み時間を利用して焼き料理の準備を始めるように調理をすることで効率よい加熱料理ができると思います。

おわりに

最後まで読んで頂きありがとうございます。Cooking Labは「料理をおいしく簡単に」をテーマに、調理技術や食と健康の知識を実生活に役に立つ形で提供します。加熱調理についての記事は今後も書いていこうと思います。
今回の記事についてさらに調べて欲しいこと、分かりにくかったことなどございましたら是非コメントよろしくお願いします。

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