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記憶
あなたの記憶。
それは、あなたが書いたあなたの歴史です。
良いコトも悪いコトも、喜びや悲しみも、怒りや悔しかった出来事も。
何でもない日常の風景、家族や友達と出掛けた思い出、恋人とケンカしたコト、明日が来なければと思う程のツラい出来事、今日死んでも良いと思えるくらいの深い歓び。。。
全てが今のあなたを形作る為の、あなたがあなたでいる所以。
それが、あなたの記憶であり歴史です。
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以前、解離性同一性障害のharuさんという方が書いた【ぼくが13人の人生を生きるには身体がたりない】という本を読んだ時、この文章が目に留まりました。
記憶とは、今まで生きてきたことを示してくれる証。
記憶がないと、生きている実感が薄れていく。
この方は、自分以外の他の人格が入れ替わり立ち替わり登場する身体の持ち主で、本人(haruさん)は昨日はおろか、ついさっきの出来事の記憶すらないコトが日常茶飯事。
そうなると、自分が”生きている”という実感がまるでないのだそうです。
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haruさんのような方や記憶喪失者でなければ、人はみな自分の記憶を元に自身のアイデンティティを確立して生活していると言えます。
それが”生きている実感”にも繋がっているのです。
でもそれは、あなたが意味付けした”あなたの記憶”です。
だからいつでも書き換えが可能です。
先ほど記憶を”歴史”と表現したのには、そんな理由があります。
実は今あなたが持っているその記憶は、”今のあなた”にとって辻褄が合うように構成されています。
”良いお母さん”でいる為に、”良き夫”となる為に、”良い子”である為に。。。
あるいは”子育てが出来ないお母さん”でいる為に、”家族に信頼されない夫”となる為に、”悪い子”でいる為に。。。
「私は親や周りのみんなに愛されて育った。
だから良い子でいなきゃならない。」
「私は親にも誰からも愛されずに育った。
だから幸せな家庭なんて築けっこない。」
そんな風に過去の記憶を引き合いに出して
”私はこうでなきゃならない”
”私はこうなってはいけない”
と、自分で自分を縛っている人をたくさん見ます。
だけど、その記憶ってホント??
本当にあなたはみんなから愛されて何不自由なく育ったのでしょうか?
環境に恵まれていたコトは確かかもしれませんが、それでも何らかの不満や『もっとこうしたかった』という想いはあったのではないでしょうか?
『そんな贅沢言ってはいけない、私は充分恵まれているんだから』
そんな風に、ずっと自分を抑えて来たのではないですか?
そしてずっと、周りの人にとっての”良い子(良い人)”を演じている。
また、あなたは本当に誰にも愛されずに孤独だったのでしょうか?
複雑な家庭環境で頼れる人もいない中、精一杯努力して今まで生きて来られたのかもしれません。
だけど、周りを見渡せばちゃんとあなたを見ていてくれてる人、あなたに愛を注いでくれている人はいたのではないでしょうか?
『私なんかが愛されるはずがない』
と、ずっとその愛を見ないふりしてきたのではないですか?
そうやって『私は幸せになってはいけない』と、与えられた愛や優しささえも受け取らずに過ごして来た。
このように紐解いていくと、実は自分で書いた歴史によって、
『○○するべき、○○してはいけない』
と自分に鍵をかけている人が多くいます。
最初は自己防衛からかけたはずの鍵ですが、そこはもう固く錆びついていて、本人は鍵をかけたコトすら忘れています。
『私はこうあるべき』
『自分はこうなって当然だ』
とでも言うように。
その存在すら忘れ去られた開かずの扉。
あなたの心の奥にもあるかもしれません。
追伸:この記事に何か引っ掛かりを感じた方は、こちらも併せてお読み下さい。
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