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RPA導入で確実に失敗する方法

RPAに限った話ではなく、参画した誰もがプロジェクトを成功させたいと考えているのではないでしょうか。しかし、プロジェクトは生き物で確実に成功する方法は恐らくありません。その独自性があるからプロジェクトなんですし。

ただ、確実に失敗する方法はあると考えています。

今回はRPA導入の失敗理由から確実に失敗する方法を学び、逆説的にプロジェクト成功の確率を上げる方法を解説したいと思います。

本末転倒

先ずは正式プロジェクトとして立ち上がらずに終わるケースです。
RPA導入のKPIで使われる指標のトップは、人件費削減とヘッドカウントの抑制の二つです。そしてその効果を実感するためにPOCを実施します。
そこまでは良いのですが、いざ本格的にプロジェクト化しようとしてコストや効果を試算してみると本末転倒が起こります。
人件費削減したいのにRPAのランニングコストの方が高い…
ヘッドカウントを抑制したいのに専門家を雇用しないと自動化出来ない…
です。そして効果は実感出来るのに正式プロジェクトになることなく塩漬けになることが数多くあります。

無法地帯

次に活用が進まないケースです。システム導入の場合だとユーザに使ってもらえないケースでしょうか。
RPAを使った自動化が進まない原因のトップは、手順がまとまっていないこととイレギュラー対応が多いことの二つです。
前者は担当者と業務の結びつきが強すぎるという事が考えられます。必ずしも人材の流動性が低いワケではないのに、人事異動しても担当業務は変わらずにレポートラインだけが変わるケースって皆さまの会社でもあるのではないでしょうか。そうなると手順をまとめる必要なんてありません。誰かに引き継ぐ必要もなければ、ルーティンワークなので記憶できてしまうので。
後者は組織ごと役割が明確ではないことが考えられます。そうなると社内のパワーバランスだけでイレギュラー対応を押し付けられる部署が出てきます。そしてイレギュラー対応は非効率であることが多いので自動化の対象にされるのですが、イレギュラーゆえにボリュームが少なく得られる効果も少ないという事になります。

的外れ

最後がROIが出ないとか投資回収できていないと言われるケースです。
RPA導入効果が実感できない理由のトップは、残業時間が減ってないことと新たな付加価値が生まれないことの二つです。つまりはRPA導入によって時間が創出されたはずなのに、その時間が消えてしまっているのです。
これはRPA導入を支援するベンダにも問題があると考えています。なぜならRPAを導入した当初はクライアント企業は分からないことだらけです。
どういった業務がロボに置き換えられるのか、どうやってロボを作るのか、どうやってロボを運用するのか等々。
そういったクライアントへのアドバイスは『手を動かさなければ始まりません。先ずは簡単な業務から自動化してみましょう』となりがちです。そしてそうして見つけた自動化対象の業務の多くは、いわゆる指示待ち型の社員が行っているルーティンワークなのです。
そうやってRPAによる業務自動化をしても、彼らは創出された時間を休憩に充てたり時には(ムダな)仕事を生み出すことに使います。
まさにパーキンソンの法則『仕事の量は、完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する』となるのです。

これらの問題の解決策

ではこれらの問題はどうすれば解決されるのでしょうか。一つずつ解説していきます。

・本末転倒問題。
これはRPAの市場が育ってくれば解決に向かうと思います。2018年頃までは大手金融や公共機関など、大量の人員を抱えている企業向けの製品ラインナップでした。しかし、その翌年あたりからは中小企業でも効果を実感できるような製品ラインナップになってきています。そして2021年にMicrosoftが無料で使えるPowerAutomateDesktopをリリースしました。また、専門家チームをアウトソースできるサービスも出始めました。そのため、この問題は時間の経過とともに解決すると思います。

・無法地帯問題
これはRPA以前に業務の引き継ぎをやってみましょう。結果的に手順書をまとめざるを得なくなります。また、マネジャーが関与してイレギュラー業務を無くすように他部署に働きかけられると良いでしょう。
そしてうまく引継ぎが出来た社員には彼らが望んでいた業務を与えるといった報酬があると他の社員のモチベーションにも繋がります。
逆に引継ぎをしたがらない社員も一定数出てきます。会社経営的には問題だとは思いますが、プロジェクト的には放っておくのが正解だと思います。

・的外れ問題
お付き合いしているRPAベンダをもっと活用しましょう。彼らはノウハウを持っています。有償のコンサルティングサービスを受けてでも自社の運用チームのレベルアップをさせてもらいましょう。おのずと社内のエース級社員の業務を自動化の対象にし始めます。彼らは創出された時間で新たな付加価値を生み出すからです。
最初は既にある単純な業務の自動化しかできなかった自社のチームであっても大丈夫です。
しだいに複雑な業務を単純な業務に咀嚼するというプロセスを経て自動化を行い、ハイパフォーマーの時間を生み出すという大業を果たしてくれるようになります。

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