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企業で「キャリア相談」は普及したのか?逆に減った?? その答えとは。
役員「山田くんでいいじゃないか!キャリア相談担当!60歳手前で、役職定年して、今、あまり仕事ないって言ってたし。」
社員A「そうですね・・、ただ、キャリアコンサルティングする有資格者ではないので・・有資格者の方が傾聴がうまくできて、キャリアの意向も上手に言語化できたりして自己理解も進められますよ。」
役員「なにそれ?有資格者って必要?山田君は、武勇伝を語らせたら、すごいよ!バシバシ助言してくれると思う!うん、山田君をキャリアコーチにして、全員、希望者は山田君とキャリア面談にして!よろしくね」
社員A「・・はい。・・承知いたしました。」
かくして、キャリア相談の仕組みは、この会社に導入されました・・
(注※ 実話をベースに、内容と登場人物は加工しております)
しかしながら、キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーなどの有資格者ではなく、多くの企業では、役職定年したベテラン社員をキャリア相談役として、据えていることが多いようです。
キャリア相談は増えたのか?
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さて、キャリア相談は増えたのか?についてみてみます。
普及率の一つの目安は、厚生労働省の実施する「職業能力開発基本調査」でしょう。この冊子の中の、キャリコンサルティングを受けたものが労働者全体で示されています。以下を見てみましょう。
<キャリアコンサルティングを受けましたか?に対する答え(令和4年)>
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<キャリアコンサルティングを受けましたか?に対する答え(平成30年)>
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上記、令和4年度と、平成30年度の違いを見てほしいのですが。
労働者全体では「平成30年度」が12%で、「令和4年度」が10.8%なので、実質、キャリア相談は、減っている!?とも見て取れます。
この5年間このアンケート項目では、10%前後であり、平行線か、逆に減っているというが実情のようです。「劇的に増えている!」を期待したいところですが、この統計上はそうなっていません。
もちろん、民間の調査も見たいところですが、さほど実感としても、「キャリア相談が劇的に増えてます!」という方はお見受けしません。
<キャリアコンサルティングは誰に受けましたか?の答え(令和4年)>
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キャリアコンサルティングを実施しているのは、キャリアコンサルタント有資格者である場合は、わずか10%以下とみて取れます。ほとんどが、職場の上司や管理者であることがわかります。
キャリア相談を受けない生の声
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なぜ、社員は、キャリア相談を受けないのかは、様々な理由があります。こういったことをよくお聴きする立場として、最近増えている理由は以下です。
「キャリアコーチが昔の上司ですし、なんか説教されそうです・・」
「社内の人だし、余計なこと話すと人事部に何か言われそうです」
「転職も考えているのですが、そんな相談できないですよね・・」
と、心理的安全性が確立されていないことが原因であることがあります。
なぜ、社外の専門家を導入しないのか?
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企業側が、役職定年をしたベテラン社員をキャリア相談役に抜擢し、有資格者を活用しない理由としては以下です。
「別に、法的に有資格者を使わないといけないことはないでしょ(努力義務)だったら、ベテランの社員を活用してあげたいし」
「助言だったら、ベテラン社員の方がいいでしょ」
「ベテラン社員の社内の仕事・居場所が必要なんで、これはちょうどいい!と思いました」
上記のようにベテラン社員の雇用と仕事の確保が最優先のようです。
事情としては、ベテラン社員の活躍の場の確保はわかります。心理的安全性が担保出来て、何らかの基本的な傾聴のトレーニングをしているならよいかもしれません。
しかし、この現象が進めば進むほど、社員が専門家と相談したいというニーズからは離れていくでしょう。
そろそろ、キャリアコンサルタント、キャリアカウンセラー、産業カウンセラーなどの有資格者に任せてみるのもよいかもしれないですね。
まとめ
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ここ5年程度で、「キャリア相談」の件数は、増えていることは見受けられない。その問題の一つとして、資格を取得した有資格者を活用せず、ベテラン社員の活用を優先する企業の在り方にも一因がありそう。
ベテラン社員にお願いするにしても、心理的安全性を担保する策が必要です。
もし、個人の方で、キャリア相談を受けたい!という場合は、外部の機関に直接申し込み事も可能です。広くキャリア相談の機会を見つけていきましょう。