これからの時代は「降格制度」導入もあっていい~パラレルキャリア新時代!
降格制度の時代?
当然のことながら、組織に勤務する人は、全員上を向いて、昇格を望むのが常識的な考え方でした。しかし、昨今、異変が起きています。本人は、組織内では、口には出せないが、実は、降格制度を望んでいる人が少なからずいるという事実です。
私は、キャリアコンサルタントとして、様々な生の声を見聞する機会がありますが、こういった変化を肌で感じております。
なぜなのか?
降格制度希望の理由
答えは、二つあります。一つ目は、管理職という重役から降りたいというものです。日本の特色でもありますが、管理職となると一気に責任が増すことが多いです。
しかし、仕事主義ではない日本は、管理職=何でもやるという風習が定着し、実際、仕事に終わりが見えないというのも事実です。さらに悪いことには、日本の管理職の収入レベルは、先進国でも最低レベルです。管理職になったら、手取り給与が減ったという嘘みたいな本当な話があります。
ご存知でしょうか?日本の課長級、部長級の収入レベルは、もはや東南アジアの外資系の課長級、部長級よりも格下になってます。
責任は増さずに、収入も安定しているなら、降格したいと思うことがあっても当然かと思います。
実は、二つ目は、新しい考え方です。テクノロジーの発達、そして、政府の働き方改革の一環の副業解禁により、誰でも、気軽にパラレルキャリア(副業・複業)ができるようになってきました。この外の収入が、本業で昇格する給与よりも多い場合、パラレルキャリアの方に時間を比重して使いたいという希望が出てきているのです。これは、当然、あっていい考え方だと思います。下手に昇格しても、給与が上がらないのであれば、「降格して給与は減っても、パラレルキャリアの時間を有効に使いたい」という考え方があってもいいでしょう。
また共稼ぎで、そこまでの収入はいらないので、降格制度利用して、家族の時間の方が欲しいという人もいます。これも、ライフキャリアを考える上では大事な観点だと思います。
しかしながら、欧米と違い、仕事主義ではない日本は、この降格制度の扱いがまだまだ整備されておらず、当面実現は難しいでしょう。
それでも降格する方法
それでも、どうしても降格したいという方ですが、残念ながら、今現在、多くの企業において、降格希望制度や、降格試験制度!?などというものは存在しません。
企業としては、そういったオプションがあってもいいとは思いますが、無い以上、降格したい場合は、転職が一つの選択肢となります。
もちろん、転職先に「降格したいので」正直に言うわけにはいかないのですが、どうしても、その仕事・業界で働きたいのでということで、一つ下のポジションを応募することは不自然ではありません。
実際の事例としても、どのようにして、降格された方を私は何人も知っています。
◆以下ご参考
これからはポートフォリオキャリアの時代
これからは、「複」どころか「マルチ」(3つ以上)の仕事をかけ持つ時代が来るかもしれません。その際に、いわゆる本業の立ち位置をどこにするか(別に上まで上り詰めるのが正解ではない)、パラレルキャリア、家族の時間、趣味、総合的にどのように時間の配分を使っていくかが、大事なキャリア戦略になるかもしれません。まさにポートフォリオのように、自分のキャリアを配分していくことが求められるでしょう。
その際に、その一つとしての仕事に「降格制度」を求めることがあっても、自然なのだと思います。
最後までおよみいただき、ありがとうございます。
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