1on1キャリア学習 ―30分でも意味と効果を!
1 on 1とは?
一般に「上司と部下が1対1で話す機会」として知られています。
しかし、1on1と評価面談では実施目的と対話の方法、頻度が異なります。1 on 1は相談者が前向きに、モチベーションを上げて業務に取り組んでもらうためのセッション、トレーニングという考え方が良いでしょう。
1on1は、その起源を探ると、アメリカのシリコンバレーで企業文化として根付いていたものです。日本では、2012年にヤフー株式会社が導入したことをきっかけに注目を集めるようになってきました。
海外の大手企業でも、1 on 1というと共通語のように使われ、実施されるようになってきています。
日本で1 on 1は根付いている?
近年、1on1ミーティングへの注目度が高まってきています。どれくらい導入が進んでいるのかを聞いたところ、人事白書調査レポート2020では「導入している」(42.2%)は4割超で、「導入していない」(53.1%)が過半数を占めました。 従業員規模別で見てもほぼ同様です。
1 on 1はWhy➡What➡Howで進める
組織では、1on1面談がかなり日常になりましたが、「話すことない」、「マンネリ化」しているところも多いようです。
普段とは違う1on1を演出し、キャリア学習を促しましょう。
相談者が「意味ない、つまらない理由」は、業務面談になってしまっている、既存の枠組みのテーマ(業績を上げるには?)になってしまっていることが考えられます。
テーマは、「面白く」「枠外で」を意識したうえで、
Why ➡ What ➡ Howで進めましょう。
Why?
まず、テーマの答えに対して、Whyを聴きましょう。これ、大事です。その答えは、その人らしさが出ます。自分でも気づかない価値観を引き出すこともできます。
Whyを5回繰り返すとも言いますが、ぜひ、深堀して聞いてみましょう。そして、出来る限り、承認をしてあげましょう。
間違っても先に、How(え、そんなのどうやるの?)と聞いてはいけませんよね。(‘話すのを辞めてしまうかもしれません。
What
Whyの後はWhatです。で、どこを目指すのがいいかな?という到達点ですね。これも、「そんなの無理だよ」とかいわず、聞いてあげましょう。
How
1on1で可能ならHowです。突破なテーマでも少し、現実に戻して、それならできることはあるかな?と問うてみることです。
ちょっと行動につながるかもしれませんね。
30分でも行動変容は可能
効果的な1on1なら、無料かつ30分で貴方の後輩、部下の行動が変わるかもしれません。本当です。
行動変容は既存の価値観から切り替わり、自己効力が増したときに起こります。どんな研修も、行動変容しなければ価値はゼロに近いですね。
「ふーん」 で終わってしまってませんか?
上記の2つが30分で達成できれば、可能なのです。
行動が変わらないのは、認知行動学的に言うと、認知が変わらないからです。
「いいですねー」とかいっても、忖度しているだけで本当は
「いや、やっても仕方ないのよね。」(心の中)
「面白くなさそう」(心の中)と思っていることが多いです。
認知を変えるのは、面談の技法が多々ありますが、既存の枠組みとは違ったテーマで、話す必要があります。日常の枠組みから外れて、そんな考え方もあるのか という事を気付かせるのです。もちろん、心理的安全の中でやります。
これは、大勢の中だと同調してしまったり、大事なことも聞き流す可能性があるので、1on1が最適なのです。
次に、やる気ですね。それは、大勢の中で、講義を聞いて、よしやろう!と思うことはよほどのカリスマ講師でないと無理ではないでしょうか。
1on1の中で、認知が変わったなら、それを十分に承認し、自己効力をあげることができれば、かなり行動につながることが知られています。行動は自分から起こすものなので、
「どう思う?」「どうしたらできる?」という問いかけが必要になりますね。