
それ違う!?「働かないおじさん」ではなくて「働けないおじさん」が正しい。
「え?働かないおじさん?いえいえ、どちらかというと「働けないおじさん」ですよ」 と苦笑する田中さん(仮称)。
他のおじさん方からも以下のような話をお聴きします。
「いや、働く気はあるけど、単純業務しかアサインされないから、たんたんとやっている。そうすると、なんで単純業務しかやらないのか・・というように周囲から見られる。もっとできますよと上層部には言ってますが、とりいってくれない」
「本当は若い人たちの面倒は見てあげたい。でも、上から「あなたには部下は付けない」と言われているし、勝手に指導するわけにもいかない」
よく問題になる「働かないおじさん」問題。

一般のイメージとしては以下のようなもの。
・業務にやる気がない
・指示待ち
・若手の指導もしない(ほったらかし)
・定時に帰る
しかし、私もおじさんながら、同世代のおじさま方にお話を聞く機会があります。
そうするとどうも
「働かないおじさん」という表現は正しくなく、どうも
「働けないおじさん」の方が正しいのではと思います。
どういうことかといいますと、
世間のイメージほど「やる気がないわけ」ではなく、「働きたいけど、働かせてもらえない」という実情がわかってきます。
それを、組織としては、そういうわけにいかないので、「働かないおじさん」でくくろうとしている実態があるようです。
何が起こっているのか?
Japanese ヒエラルキーの弊害

日本の昇進文化は、古い体質の企業ほど、上層部から気に入られた派閥のようなものが実は存在し、それにより、役職がついていくことが多いです。そんなことはない!という会社も、このような要素は少なからず入りがちです。
その派閥グループというのは、いわゆる、よくゴルフに行くメンバー、飲みに行くメンバー、大学派閥、出身会社派閥、その他XXさんを囲む会のメンバー等々です。
組織の上層部から引き上げて、課長以上になった方は、相応の処遇と仕事がアサインされていきますが、そうならなかった別派閥の社員が、そういったヒエラルキー文化の中で、年を取ると、いわゆる「居残りおじさん」的な存在になっていきます。
本来、世界標準的には、日本ほど派閥はなく、その人にもJobが与えれ、市場水準に沿った給与が支給され、厳しいことを言うと、Up or Outと成績が悪いと解雇されるリスクはあります。

日本の場合、上記ができないものの、一人一人Jobをしっかり与えていく文化もなく、「居残りおじさん」は、ほっとかれるというのが実態です。
要は仕事がしたくても、仕事がアサインされない、部下もつかない、派遣社員のような仕事をして毎日を過ごすことが多くなるわけです。会社側は、仕事を与えないというのは、聞こえが悪いので、
「いやー仕事は与えてるし、部下もいるんだけどね・・やる気がないんじゃない。」
「働かないおじさん」に仕立てていきます
つまり、自分から「働かない」のではなく、一定の居残り組になると、「働けない」という実態もあるようです。そして、真面目な日本人は「必要とされてない」と辞めていくことを狙っていく可能性もあります。
「働かないおじさん」問題をどうするか?
まず、「働かない」のではなく「働けない」ように仕向けている可能性があるということです。その組織やチームの事情をよく把握する必要があるでしょう。そういった視点で、業務の割り振りが最適かは考えてみる必要はありそうです。
業務をアサインしたら、意外と(というは役職者以上にできる・・)という「隠れおじさん」も存在するようです。
人手不足が深刻な日本では、多くの「隠れおじさん」も存分に仕事が与えられ、活躍していただきたいものです。