キャリアコンサルタントが知るべき「キャリアブレイク」とは何者？

2024年12月8日 22:56

☆この記事の編集者：高橋秀誓👦｜国家資格キャリアコンサルタント
キャリア相談スキルシェアサービス『coachee』運営者｜人材業界歴約10年。人材業界での経歴は大手人材会社パーソルキャリアをはじめとして、
人材サービス会社2社経営し、現役でキャリアアドバイスも実施

★この記事の執筆者：りお👦｜越境コンテンツ＆ギグ研究家｜国家資格キャリアコンサルタント｜Webアナリスト｜SEOコンサルタント｜VR技術者｜Lead Careerにて、キャリア学習支援｜Banso Works(Global)にてグローバルな働き方を発信｜ラーケーション・ラボ（遊びは学び）主宰｜Xでフォロバ中

「キャリアブレイク」はご存じですか？

キャリアコンサルタントなどの支援者の方もクライアントから

「実はキャリアブレイクしたいのですが・・」と相談されたときに
「キャリアブレイク？？」となってしまうのは避けたいものです。

キャリアブレイクとは

キャリアブレイクとは、「自分の職業キャリアの途中で一時的に仕事を離れる期間」を指します。

自分自身の成長、健康、家族のケア、学業、または単なる休息を目的とすることが一般的です。欧米圏では「sabbatical（サバティカル）休暇」とも呼ばれることがあります。

具体的には以下のような理由が挙げられます：

１．自己成長のための学び（新しいスキルを習得する、大学や専門学校に通うなど）
２．健康やメンタルケア（疲労回復、燃え尽き症候群の防止、）
３．家族のケア（子育て、介護など）
４．旅行や異文化体験（長期間の旅行を通じて視野を広げる）

昔ながらの滅私奉公文化が残る日本社会では、キャリアブレイクを取得する文化がまだ根付いていない企業も多いですが、働き方改革やリモートワークの普及により、少しずつ選択肢の一つとして認知が広がっています。

では、キャリアコンサルタントが相談された際にどうすればいいでしょうか。もちろん、クライアント様次第ではありますが、以下のような対応が基本的には必要でしょう。

■参考：「キャリアブレイク」日本での定着は？（YahooNewsより引用）

キャリアブレイクしたいと相談されたときの対応方法

もちろん、言わずもがなですが、「え？取るんですか？」と受容的でない態度を取るには良くありません。丁寧に傾聴しながら、相談者がキャリアブレイクを希望する背景や目的を理解することが第一歩です。

ある程度関係構築ができた後に質問例としては：

どのような目的でキャリアブレイクを検討していますか？
どのくらいの期間を想定していますか？
キャリアブレイク後のプランはありますか？

などでしょう。

キャリアブレイクのメリットとリスクを一緒に整理するのが大事になってくるでしょう。相談者が希望するキャリアブレイクがどのようなメリットをもたらすのかを整理しつつ、リスクについても言語化し、考えを深めます。

例えば：

メリット：リフレッシュ、スキル向上、家族との時間の確保など
リスク：収入の減少、キャリアギャップの影響、復職の難易度など

キャリアブレイク中のプランを提案する

キャリアブレイク中は、本人任せとはいえ、どういった過ごし方をしたいのか。一緒に考えてみるのもよいでしょう。

例えば以下のようなアプローチを提案できます

財務面：貯金の計画や副業の可能性を一緒に検討する
スキルの維持：キャリアブレイク中でも可能なオンライン学習を提案
ネットワーク維持：業界のイベントやコミュニティへの参加を奨励

キャリアブレイク後の復帰プランを考える

キャリアブレイク終了後、スムーズに職場等に復帰できるよう、具体的なステップを相談者と一緒に考えることも大事でしょう。復帰後が具体的に描けることで、キャリアブレイクを安心して取得することにもつながるでしょう。

たとえば、以下のようなことも話せるとよいかもしれません。

・キャリアブレイク前に、職場や業界の人脈をしっかり維持する方法
・再就職や復職をサポートするキャリアコンサルタントの活用
・心のケアを重視する

キャリアブレイクを選ぶことは勇気のいる決断です。相談者が孤立感を感じないように、メンタルサポートや適切な相談先を紹介することも重要です。

まとめ

キャリアブレイクは単なる「休み」ではなく、キャリアの新たな方向性を見つけるチャンスと捉えることができます。そのため、相談者の意思を尊重しつつ、計画的に進めるサポートをすることが大切です。

もし社内でキャリアブレイクの文化が少ない場合は、働き方の柔軟性やキャリア支援の重要性を社内で議論するきっかけを作るのも良いでしょう。