「雪辱」は「晴らす」ものなのか「果たす」ものなのか?
北京オリンピックはきのう閉会式を終えました。
選手たち、特に惜しくも敗れた選手たちの中には、4年後の雪辱を目指して早くもスタートを切ったという人もいるでしょうね。
ところで、「雪辱」という言葉ですが、後に続く正しい言葉をご存知ですか?
令和元年の文化庁の国語に関する世論調査では、「雪辱を晴らす」を使う人の方が多いという結果が出ています。
全体では、「雪辱を晴らす」を使う人が半数(50.5%)を超え、全ての世代で「晴らす」が「果たす」を上回っています。
私も、「雪辱を晴らす」の方を使っていたように思います。
結論から言うと「雪辱を果たす」が正しい表現です。
「雪辱」の「辱」の訓読みは、「はずかし(め)」です。
「屈辱」の「辱」でもあります。
「雪」には、"汚れを落とす" "すすぐ"という意味があります。
つまり、「雪辱を果たす」とは、過去に負けてしまった辱(はずかし)めを勝つことによって洗い流してしまうことを指しているのです。
「晴らす」という言葉には、"すすぐ"と同じような意味があるので、「雪辱を晴らす」というと、"すすぐ"と"晴らす"で意味が重なってしまい、たとえ場「頭痛が痛い」とか「馬から落馬する」というようなおかしな表現となり、正しい表現ではありません。
「雪辱を果たす」というのが正しい表現で、「晴らす」という言葉は「屈辱」に続けて「屈辱を晴らす」と表現します。
しっかり理解して使い分けができるようにしたいですね。
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