夏の風物詩「水菓子」は本来意外なものをだった
夏になると食べたくなるのが、甘くて涼しさを感じるものです。
夏になるとよく見かけるのが「水ようかん」。
そのほかにも、「ところてん」や「わらび餅」など、透明感のあるぷるぷるしたような食べ物に、涼しさを感じる人たちは多いです。
そんな「水ようかん」など涼しげな和菓子のことを総称して「水菓子」とよく呼ばれます。
ちなみに、「水ようかん」は、当初保存が難しかったため、福井とか他の一部の地域では、冬のお菓子だったようです。
とはいえ、和菓子屋さんなどで「水ようかん」などのことを「水菓子」ともいますが、意外にも本来は「果物」のことを指す言葉でした。
広辞苑にも、「水菓子」は、"果物のこと"と載っています。
「水菓子」は、「菓子」とついているのに「くだもの」というのは何とも意外です。
実は「菓子」と「果物」は、かつては同じ意味の言葉だったのです。
どちらも、正式な食事である「三食の食事以外に食べる軽い食べ物」という意味でした。
果物やお酒のおつまみ、またお砂糖を使った甘いお菓子などを総称して「菓子」「くだもの」と呼んでいたのです。
江戸時代になり、「菓子」は「人が手を加えて作った甘い食べ物」だけを指し、江戸では「水菓子」、上方では「くだもの」と呼び、「菓子」と区別するようになりました。