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【西心録】新米さん

▲僕自身トレーニングをしながら体重を増やさなければならないこともあり、ここ最近10kgのお米を買い、1ヶ月で食べきる食生活を続けている。しかしお米の値段もそこそこする。スーパーで売られている5kg入りのお米でも1500円以上はするため、少しでも安く買うためには10kgのまとめ買いが一人暮らしには必須だ。そこで購入していたのがいわゆる「クズ米」のようなお米。半透明のような粒ではなく真っ白な粒や、かけている粒など、単一原料米とは大きく質で異なる。

▲量を取れ、安い、のが1番のメリットだが、米価を考えると安すぎると思ったのは確かだ。つい先日もっと質のよい、低価格帯のお米はないかといつも行くスーパーで探してみたところ、目の前には「富山県産てんたかく」の文字が。食べたことのない種類だったが、やったことのないこと、興味のあることにチャレンジしてみようという精神で購入。普段のクズ米に400円足した値段で、昨年の古米だが10kgの単一原料米を手に入れることができた。

▲早速家に帰り、炊飯器で炊くとまるで違う。ひとつひとつの米の粒がはっきりとしていて、茶碗によそっても潰れたりはしない。程よい硬さで白さ含め400円でここまで違うのかと驚かされた。しかしそれは400円分を出さずに得られなかった喜びでもある。炊飯器からお米がなくなるまで粒がきっちり残っていて、変色もしていなかった。久しぶりに「ご飯が美味しい」と心から思えた時間でもあった。

▲世の中では新しく組織や集団に入った人のことを新米さんと呼ぶ。古い言葉かもしれないが、自然や食物に例えて使われる言葉が日本には多い。それも四季がはっきりとしていて、国土の殆どを山が占めているからこそ、自然の恵みを享受しやすい環境にあったからだろう。

▲なかなか地方に行くこともできず、そして季節ごとの楽しみすらも味わえない年になっている。いつまで続くかわからない中、影響はどんどん広がりつつある。感染症の怖さと人間の怖さを両方知ることが出来た、いや知れてしまったのが正しいか。しかし自然の恵みを感じれないわけではない。スーパーに行けば果物や夏野菜が並び、これから新米の時期を迎える。"新米さん"同様どんな出来になっているか分からないが、この時期にしか味わえない幸せを感じるのはいかがだろうか?

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