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自殺する勇気

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あなたは自殺をしたことがありますか?
あなたは自殺を考えたことはありますか?

前者を選んだ人はいないでしょう。なぜなら前者を選んだ人はもうこの世にはいないのですから。後者を選んだあなた。僕も同感です。
僕は自殺を何回も考えたことがあります。
今、同じように考えているあなたがたまたまここにたどり着いたのなら、ぜひ今からの数分を僕にください。

僕が最初に自殺を考えたのは中学生、いや高校生の時だと思います。
勉強ができない、学校生活もうまくいかない。しまいには背後の笑い声が全て自分の存在に向けてだと感じるようにもなりました。
真冬のある日、雪が積もるお墓の前で泣きながら「今からそっちに行く」とつぶやいた日は鮮明に頭に残っています。

昨年僕は食べ物すら受け付けなくなり、真夏の部屋でエアコンをつけずに、口を開けたまま虚空を見つめる日々を過ごしました。寝る時目をつぶるたびに過去のトラウマを思い出し、朝日がのぼるまで怖くて寝れず、その後意識を失ったように寝て、朝起きれば動悸とえずきが1日中続く日々。体重も1ヶ月近くで10kg近く落ち、体も心もボロボロでした。

とある日最寄駅のホームに立った僕は「もういいかな」とふと思いました。
乗車位置に立ち電車が目の前を通り過ぎていく度「1歩出せば一発で消えれるんかもな」と。
子供の頃から大好きだった鉄道。普通ならそんなことは絶対にしないです。
でも、普通のことを考えられる余裕なんてないんです。
何本も電車を見送りました。
でもその「1歩」は怖くて出せませんでした。

家に帰り睡眠薬、包丁…いろんなことを考えましたが、普通のことでさえ考えられない状況の中で「怖さ」がどうしても勝ってしまう。僕は次第にこう思うようになりました。

「自殺するための1歩を踏み出すための勇気を、自分の好きなことやなりたい姿になるためだけに使おう」

子供の頃から鉄道が好きで、カープが好き。カープの選手になって、被爆者の方が自分のプレーで喜んでもらえたら、辛いことを思い出す時間を自分のプレーで少しでも少なく出来たら。そんな思いで常に野球をしています。

自殺するのにあんなに勇気がいるなら、その勇気を他のことに使ったらどんな姿になれるのだろうと。それが好きなことならどんなことになるだろう。
そう思った僕は、その勇気を忘れずに、なりたい姿になるために、好きなことに使うことにしました。

「お前には無理よ」「何歳だと思っとん?」
たくさん聞いてきました。でも自殺するときってあんなに勇気いるんだ、って初めて知った僕からしたら、死ぬために発揮するはずだった力は、今や自分の夢をかなえるための強力なエンジンになっています。本当に何にも気になりません。だってあの日自殺するための勇気を少しでも使っていたら、もうこの世にはいないので。

好きなことや夢を否定する言葉をたくさん知り合いから聞かされてきましたが、では逆にお聞きします。
「あなたが自殺したいと思い悩む人を前にかける言葉は、自殺するなよ、だけですか?そんな言葉で思いとどまる程の辛さではないんですよ?」

あの1歩を出す勇気ってすごくいりますよね。
それなら今思い悩むあなたもぜひ、あの1歩を出す勇気を、あなたの好きなことだけに使ってみませんか?
僕は今もトラウマはたまに思い起こすこともあるんです。でもあれだけの勇気、他のことに使えたら本当にすごいことになるって思っています。他の人にはない、思いがけず手に入れたあなたと僕だけの「才能」です。
頑張っているならちょっとしたことでもいいので、僕に伝えてください。
あなたの頑張りを見て、僕も頑張ります。

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