【23年振り返り】「何も起こらない」を楽しめはじめた一年
23年、振り返ってみると、変化の少ない一年でした。
22年の前半にnoteのイベントで朗読劇脚本を書かせていただいたりして、そのあたりには何か人生が変わりそうな、激アツリーチに掛かったようなヒリヒリ感がありました。
だけど扉は開ききらず、機会は通り過ぎ、その後は銀玉が繰り返しガラガラ回り続ける日々に戻りました。
左打ちの日常。それが23年になってもずっと続いていた感じ。
良くも悪くも、大きな事件は特になし。
ひとつあるとすれば、シナリオスクールに通い始めました。
そして、4つのシナリオコンテストに作品を応募しました。
今年になってnoteの更新が一気に滞ってしまったのも、大きくはこれが原因、あるいは言い訳です。出力先が変わったんです。
とはいえ表現への欲求はぜんぜん減ったわけでなく、そういう点でも数年前から変わりなし。
でも、この状況に鬱屈とした停滞感を感じていたかというと、そうでもない。
これが23年で一番大事なポイントだったと振り返っています。
この一年の中で出会った、大切な言葉があります。
「幸せの秘訣は、何も起こらないこと」
これはアメリカの写真家ソール・ライターさんの言葉です。
少し前に渋谷で展示会も開かれていたので、ご存知の方は多いかも。
この方は若い頃にファッション写真家として確かな地位を得るのですが、突如それを投げ捨て、第一線から姿を消します。その後は奥さんとふたりニューヨークの片隅で何十年を過ごし、毎日ひたすら、ニューヨークの街並みや道行く人々を撮り続けていました。
どこにも発表せず、何も変えず、ただひたすら。
その写真が本当に素敵なんです。
写っている場所はずっとニューヨーク。地理的には同じような場所をずっと撮っているのに、とっても豊か。世界を巡って撮った写真にもぜんぜん負けないくらいに。
そんな人が大切にしていた言葉。幸せの秘訣は、何も起こらないこと。
ちょっと僕の解釈混じりますが、この言葉は「何も起こらなくても幸せを見つけられるような感性こそ人生に大事」ということなのだと思うんです。
「小さい秋見つけた」的な感性。
人脈も課金も必要としない、丸腰ステゴロで幸せを得る感性。
これは大変な境地、高みだと思います。
だけど、そこに至れたら素敵ですよね。
だから、それを目指そう!と思ったんです、去年。
それが2023年で一番の個人的ニュースです。
ただ思っただけのこと。それが第1位。
でも大きいことですよこれは。
地球の裏側に行くよりも、もしかして意味ある出来事かも。
だからね、今年はこれまでより注意深く過ごしました。
見つけられていない世界の面白さは、いつも歩く駅までの道にもまだあるかもしれない。
修練はもっと必要ですがね。まずは心掛けから。
ただ一方で、自分の書いた作品をもっと多くの人に見てほしいとか、認められたいとかいう欲求は、依然メラメラとあります。病気かってくらいありますよ。
それはそれで大事にしながら、何も起きない日々も愛する。
静と動の両立、共存。
そういうのを24年は目指していきたいなと思います。
ちょっと高尚かな?
年末年始ハイなだけかもしれん。
ま、またゆっくり考えます。
とにかく、ゆったりと、24年はじめます。