週プレ感想文!No.26 自分を信じるグラビア編
どうも、とりです。今週も書きます、週プレ感想文!
小学生の頃、通信簿に「マイペースですね」と書かれた女です。最近、だいぶ原稿をため込んでしまって、マイペースなんて呑気なことを言ってられなくなりました。今日「今だいぶ原稿溜まってて、書かなきゃならないんだけど、そういうときに限ってなかなか筆が乗らないんだよ〜」みたいなことを言われて「分かります」と言った会話をしました。「分かります」じゃねえよ!と、気持ちを引き締めながら感想文を書きます(笑)。
週プレ感想文は、私にとってある種思考の場でもあります。焦って詰まった脳みそをほぐしてくれる体操のようなものでもあります。常々、自分の感覚を大事にしようと考えてはいるけれど、いろんな方向から物事を考えると、いいことも悪いことも、ごちゃごちゃになってしまいます。多面的な視点を意識しつつ、そのうえで自分の視点から生まれた感覚を大事に育てたいって思うんですけどね。欲張りなくらい、全部を拾い上げたくなるんです。
大きく世界を動かそうなんて気はありません。自分みたいな考えずぎ人間の心のどこかに小さな共鳴があれば、自分含め、ほんのごく僅かの人間が緩やかに前進できれば満足です。そんな気持ちで原稿を書くし、週プレ感想文で暴れます。書くって楽しいなぁ。では、早速。
小坂菜緒 photo by 藤原宏
表紙&巻頭グラビアは日向坂46の小坂菜緒さまです!1st写真集『君は誰?』が6月26日に発売される小坂さま。なんと初版15万部からのスタート。す、すっげー。このセーラー服の爽やかなカットは、そんな大ヒット間違いなしの写真集からの先行カットです。青春の香りとセミの声。日が長い1日。偶然帰り道が一緒になった夏季講習。んん〜、淡くて青い。
小坂さまがまだ18歳ということに驚きます。日向坂46のセンターに立ち続ける姿は、もっと大人びて見えていました。もし自分が高校生だったとして、同級生に小坂さまがいて会話を交わしていたとしたら、一言二言でかなりの衝撃を受けていたように思います。自分にはない視点で、自分では到底たどり着けない境地から、ハキハキと明るく告げられる言葉たちに敵うわけがないから。服のなかで汗ばむ体が、自分をもっと幼い子どもだと錯覚させるのです。大人は、汗をかいても涼しそうだから。
麦わら帽子、初水着。プール、川、山。夏は暑すぎて苦手です。でも、小坂さまが満喫している夏はとてもキラキラとしていて、一目散に飛び込みたい衝動に駆られます。一匹も虫が飛んでいないなんてことは現実的にあり得ないし、時間が経てば日が暮れるし、夏はいずれ終わってしまうのだけれど、そこには、このままずっと続いていきそうな季節があって、ひっそりと自分の青春時代を重ねてみてもいいんじゃないかと思わせてくれます。高校生だった頃、夏に友達と手持ち花火で遊んだ帰り道、一緒にいた友達だけがナンパをされました。友達も満更ではなさそうで、私は完全に夜の闇と同化していました。蒸し暑さも何も感じないその時間。自分の形を自覚した瞬間、気怠さと汗が吹き出しました。線香花火はあんなにも儚く美しかったのに……。夏の思い出として、いちばんにコレが出てくるなんてどうかしてますね(笑)。なんか、書いてみたくなりました。
でも、それもまた大切にしたい青春。多感な時期に感じたたくさんのことが、大人になった今こそ響いているから。貴重な青春と自覚しながらその時間を過ごしていたようで、大人になるつもりがさらさらなかったから、ずっとこの青春が続くような気もしていました。考えようによっては、今も青春と呼べるのかもしれませんが。
学生時代に後悔はないものの、再び憧れのようなものを抱きつつもあります。「青春は太陽がくれた季節」。暑い日差しを受けながら、青い三角定規が頭のなかで流れています。小坂さまの爽やかな青春から、いろんな記憶が蘇ってきました。それはきっと、小坂さまが素直な気持ちをカメラに写してくれているからだと思います。夏の暑さから、あの頃の未成熟な気持ちまで……。夏ですねぇ。
先行カットに加えて、なんと撮り下ろしも掲載されています。豪華すぎませんか?撮り下ろしのカメラマンは佐藤裕之さん。緑に反射する光がとても綺麗なグラビアです。日差しを感じる前半に対し、後半は木陰で感じる夏特有の涼しさが広がっていてちょうどいい心地よさが残りました。
写真集のカメラマンは藤原宏さんです!夏の気温を素直に感じさせてくれるグラビアで、自分のなかに眠っていた夏が開けていく感覚がありました。やっぱり夏の太陽は得意ではないのですが、夏の歌は好きだし、夏を感じる写真は好きです。私ももっと、リアルに夏を感じて生きねばと思いました。今年はできる範囲で夏らしいことをしてみようかしら。
吉田莉桜 photo by 松岡一哲
続いては吉田莉桜さまです!ワンピース水着に定評のある吉田さま。言われてみれば、ワンピース水着を着ておられる姿をよくお見かけしますし、定評があるのも共感です。
ワンピース水着は私も好きなタイプの水着です。かわいさとセクシーさが共存していて、レトロでもありモダンでもあって、意外と幅のある水着なんですよね。今回は全編ワンピース水着ということで、ワンピース好きとしてはかなり嬉しいグラビアでした。改めて「こんなワンピースもあるのか」とワンピースへの理解が深まるとともに、愛も強くなりました。
「スラリと伸びる肢体」。この一文を見て、ゾクっとしました。「肢体」という言葉は、一見色気も飾り気もなく、聡明で「正しい」印象を受けます。けれども、その「正しさ」が妙にいやらしい気がするのです。「カラダ」や「手脚」以上にしっくりくるというか、このグラビアに対する「正しい」言葉があるとすれば、きっと「肢体」なんだと思います。
そしてそれは、ワンピース水着が持つ正当さとも重なる気がします。ワンピース水着が持つ正当さとは、まず、私はグラビアが好きなくせに、ビキニを見たときに、なぜあそこまでお腹を出す必要があるのだろうか?と時々考えてしまいます。「かわいいから」「セクシーだから」。その感覚はもちろんあるものの、水着としての正しい役割を果たしているのは、飾り気がないワンピース水着なのでは?と思うわけで、そういう意味でワンピース水着は水着として正当であり、正当であるからこそ色っぽいものだと感じるのです。ワンピース水着って奥深いですねぇ。
今回のグラビアを通して、なぜ吉田さまのワンピース水着姿は人気があるのか、考えてみたくなりました。下手すれば、ビキニ以上にスタイルにごまかしが効かないワンピース水着。着る人によっては子どもっぽくなりすぎてしまうし、スタイルが悪く見えてしまう恐れもあります。けれども吉田さまは、ピュアさを残しつつも大人な魅力を放ちながらワンピース水着を着こなされていて、そのバランスがとても絶妙です。スタイルに加えて、素朴さかつ明るいオーラとワンピース水着の正当さによる見事な調和。いろんなワンピース水着が出てきますが、私は紫のレオタードがいちばん好きでした。シンプルイズザベスト。なんだかんだで王道に魅力を感じる年頃です。
写真は松岡一哲さんです!松岡さんの見せる素朴さが、吉田さまの雰囲気とワンピース水着の持つ正当さと重なって、その奥深さをよりじっくり味わわせてくれています。3日煮込んだカレーのように、だんだん層を重ねて濃くなっていく、ワンピース水着への理解。それはページをめくるごとに濃厚になり、最後には全てを分かり切ったような感覚になってしまいました。
由良ゆら photo by 井上たろう
センターグラビアは、Twitterで投稿されている「#これがこう 」画像が話題の由良ゆらさまです!「#これがこう」。この言葉が添えられるだけで、なんの脈略もない2枚の画像が一気に文学的になります。いわば、魔法の呪文のようなハッシュタグ。起承転結の起と結だけを明らかにし、いちばん見応えのある承転は想像に委ねられる世界。自由すぎるでしょう。最高の妄想ワードですね。
人間関係が深まれば深まるほどに、予想外な一面に出くわすことがあります。その表面に触れかけたとき、とてもドキドキするし、引き返すなら今だがどうする?と全く冷静でない頭に問いかけるのですが、結局は勢いと好奇心に任せて、見知らぬ一面を覗かせてもらいます。面白いことに、自分が当たり前のように携えている一面もまた、相手にとっては予想外な一面であったりするわけで。そんな意外と意外が重なることで、より豊かなコミュニケーションが交わされるようになる。濃厚な承転があって、最高の結に辿り着くということです。
偶然にも、由良さまは本日がお誕生日らしいです。おめでとうございます。19歳。ついこの間まで高校生だったはずなのに、もう19歳。グラビアで見せる姿も、かなり大人っぽくなっていて驚きました。由良ゆら、ゆらゆら。天使のような美しさ。小悪魔チックな妖艶さ。あらゆる意外性に翻弄されながら、この戸惑いもまた面白くて、どんどんその沼にハマっていきたくなります。ハッキリしすぎるよりも、少し謎が残るくらいがいい。分かりにくいものを、もっと分かりにくく考えたいと思うことがあります。頭は疲れますが、よく眠れます。「#これがこう」です。うまく言ったつもりですが、全くもってうまく言えていないことには薄々気がついています。
写真は井上たろうさんです!純粋さを感じます。由良さまに翻弄されるがまま、その姿を追いかけているような純粋さです。自由で気まぐれで、意外な一面をたくさん持っていて、踏み込めば踏み込むほど、驚かされる底無しの魅力。もしかしたらちゃんと追いかけていないと、その展開についていけなくなるのかもしれない。純粋がゆえに、由良さまの「#これがこう」がめちゃくちゃ活きているように感じました。
加藤美南 photo by SANN
巻末グラビア、お一人目は元NGT48のメンバーである加藤美南さまです!NGT48をご卒業された後のことはあまり知らなかったのですが、今年2月に「WEIBO Account Festival in Tokyo 2020」で賞を受賞されていたことを知り、そのグローバルな展開に驚きました。インタビューで今後について語られているのですが、その内容に、また驚きました。
――今、目指しているものは何ですか?
加藤 美容関係のプロデュースです。以前からコスメが好きではあったけど、男性のファンの方に「何を使ったらいい?」と聞かれても答えられなかったんです。私を応援してくださっている方と何か共通点を作りたいと思っていて、だったら男性用の美容グッズをプロデュースしていきたいなと思ったんです。
巷でよく聞くメンズメイク。美容に関心があるのは女性だけではありません。むしろ、女の私よりも美意識が高い男性がたくさんいて、男性であろうと女性であろうと美意識の高い人と関わると、その日の夜は毎回入念に洗顔をし、パックをして、早く寝ることを心掛けてしまいます。美容に特に気を遣った翌朝は、いつもより自分が可愛く見えるので毎日頑張りたいのですが、どうしても丁寧さに欠ける夜もあって、ぶつけようのない悔しさが空回りすることがよくあります。
「美容グッズをプロデュース」という言葉に説得力を感じさせる加藤さまの高貴な美しさ。上からスッと花びらが降ってきそうな華やかさ。インタビューで、アイドル時代を思い出すことはあるか?といった問いに対して「自分から思い出すことも検索することもありません。これからのことに精いっぱいなんです。アイドル時代が人生で一番輝いていた......ということにはしたくないので。」と答えておられる加藤さま。現在は中国やタイでの仕事にも力を入れていくため、語学勉強中でもあるのだとか。その真っ直ぐさと真面目さの表れか、アイドル時代の顔つきとはまた違ったピュアさが見えるのが印象的です。
何かあったとき、過去を振り返って間違い探しをしてしまいがちですが、反省はほどほどにして、これからのことを考えていかないと先には進めないのですよね。未来を目指しながら、今を生きる人はカッコいい。ストレートな言葉が響く、発言の説得力を強めるピュアなグラビア。加藤さまの真っ直ぐ未来を見つめる瞳から活動力を分けてもらったような気がしました。これからの活躍が楽しみです。
(これは余談ですが、ちょうど先日『あちこちオードリー』の反省ノートの会を見て共感しまくっていました。めっちゃ面白かった)
写真はSANNさんです!加藤さまの直向きな姿勢を優しく、そして華やかに切り取られていて、ゆっくりとした時間のなかで、リアルに生きている加藤さまを感じられるようなグラビアでした。加藤さまの雰囲気、ロケーション、衣装ともども、めちゃくちゃバランスがいいような。スッと心に入り込んでくる心地よさがありました。
鈴木聖 photo by 岡本武志
お次は、次世代グラドルとして注目を集めている鈴木聖さまです!未知数ながらも確かな魅力。潤いのある瞳と美しさが勝る口元。物静かなようで、明るくもあって、何故か惹きつけられる不思議な感覚。鈴木さまのことをもっと知りたい。そう思い読んだインタビューはオタク全開で、そのギャップがさらに関心に繋がりました(笑)。
夜中の2時22分22秒に、自分が行きたいアニメの世界の名前を書いて枕の下に入れておくと、朝には行けるって話があって、本当に信じてやってたんです。
ブッ飛んでますねぇ。ご自宅には約6000冊も漫画があるのだとか。かなり二次元大好きなことが伺えます。けれど、そんな鈴木さまが、二次元とは程遠い生身のグラビアに挑戦されている事実が興味深いと感じるのです。それはそれ、これはこれ、と言われればそれまでなのですが、鈴木さまはしっかりと三次元の世界を生きていながらも、どこか二次元の世界と捉えながら生きているんじゃないかと。もしかすると、日常生活で頻繁に不思議な現象が起きていたり、何でもない出来事から妄想を広げ、二次元と結びつけていたりするのではないかと、勝手に想像してしまいました。だとしたら、その思考をもっともっと覗いてみたいです。
「私も週プレInstagramに載せてもらえるんですか?」 思わず「そこ〜?」と突っ込んでしまった。
このリアルエピソードポエムは笑いました。Instagramでいいんかい!と考えると、じわじわしてきます(笑)。そんなおとぼけが想像できないくらい、クールビューティー際立つグラビア。人は見かけによらないし、思考回路は人それぞれ異なるという当然の事実を改めて感じ、気持ちが昂りました。理解ができないことを、理解ができないと閉ざすことは簡単。けれど違いを感じながら、理解できないことを理解できないなりに解釈することもまた面白いと思うのです。Instagramだけじゃなく、ちゃんと誌面に載っています。
鈴木さまのことをブッ飛んでると書きましたが、私も小学生の頃まで『ドラゴンボール』はフィクションだと思っていました。僅かにでもサイヤ人の血が流れていることを信じて生きていましたが、超サイヤ人に覚醒することはありませんでした。だから、2次元の世界に行こうとする感覚はわりと共感できます(笑)。
写真は岡本武志さんです!光が印象的な岡本さんですが、今回は暗めのトーンの写真が活き活きとしていて面白かったです。全体的に鈴木さまの無邪気な動きが感じられるグラビアで、寄りのカットが個人的には好みでした!岡本さんの写真は女の子がよりかわいく、おしゃれに見えるので、とても好きです。
福岡みなみ photo by 唐木貴央
ラストはリケ美女、福岡みなみさまです!気合を感じるグラビア。過去、週プレに登場されたときにも、他とは何かが違うピリつきを感じたのを思い出します。グラビアは誰しもが唯一無二だと感じられる素直な舞台だと思ってはいるのですが、やはり特異な人ほど印象に残りやすいことも事実で、雪解けの山の中を寝そべっていた姿が脳裏に焼き付いています。
「自分が一番だ」と信じ続けて、このグラビアのために体を半年間鍛えあげた。撮影前には涙が溢れた。
この言葉を読んだとき、自然と鳥肌が立ちました。本当にいろんなグラビアアイドルの子がいるし、グラビアの見方も人それぞれで、私はそんなグラビアが大好きなんだけれど、ここまで思い切ってくれていることは、一読者として純粋に嬉しいです。今週の「ホリエモンのグラドル相談室」に出ておられるのですが、そこでの話からもグラビアにかける気概を強く感じることができました。
誰もができるわけじゃない。自分なりに、何かを極めることが自信へと繋がっていく。僅かにですが、私も実感していることです。自分にとって簡単なことが、誰かにとっては難しい場合もあり、逆もまた然り。だったら自分が得意なこと、できることを極めた方が、誰も手を出さないくらいに突き詰めたアイデンティティになると思うのです。こだわりは、こだわりがないとこだわれない。この福岡さまなりの突き抜け方は、誰もができるわけじゃない。
そして、自分の体を大切にできるのもまた自分でしかない。自分の体を四六時中触れられるのは、自分しかいないのだから。先日、初めてアロマエステに行ったとき、もっと体を大切にしないといけないと痛感しました。自分の体を大切にすることは、自分自身を大切にすることに繋がります。少しくすぐったかったけれど、体は喜んでいたし、私も喜びました。自分の体とちゃんと気持ちを共有しあえた感触がありました。福岡さまほど体づくりに没頭できなくても、そうやって自分が好きな自分を組み立てていくことで、少しずつ「自分が一番」と信じられるようになるのかもしれない。
もっと突き抜けたいし、もっと自分を大切にしたい。そう思えるグラビアでした。
写真は唐木貴央さんです!福岡さまの気合が感じられたのは、唐木さんのニュートラルで自然体な写真があったからだとも感じました。力強い目線が届く一枚一枚。福岡さまの表現を掬いながら、その表情や仕草を、自然なテンポで切り取られているような。だからこそ、福岡さまの熱意が写真に乗っているんじゃないかと。鋭くて、カッコいいグラビアでした。
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以上です!いつもやっているようで、今回改めて自分の感覚を重ねることを意識しながら、感想文を綴ってみました。写真だし、数ページだし、さっと見れてしまうグラビアですが、何度も見返すなかでさまざまな発見があって、その体験を重ねるほどにどんどん面白くなっていくから、見ていて飽きないです。グラビアは文学だなぁと、よく思います。
週プレプラス!で連載中の『グラビア美女画報』、橋本萌花さまの回が週プレNEWSにて一部無料公開されています。こちらもぜひぜひ、ご一読いただけると嬉しいです〜!
ほぼ毎日グラビアのこと考えてるけれど、正解という正解にはなかなか辿り着けない日々です。正解なんてきっとないように思うし、いろんな価値観、見方、感じ方があったうえで成り立つものだとも思います。正解がないからこそ考え続けなければいけないし、考え続けられるから飽きないんだと思います。と書きながらパイナップルを3口ほど食べたので気分がいいです。では〜。
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